第25鉄 位置情報ゲーム『コロプラ』で“130円大回りの旅”を満喫(完結編)杉山淳一の +R Style(5/6 ページ)

» 2010年01月22日 18時43分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

代替案に落とし穴! 断腸の思いで打ち切り……

 小山から両毛線の電車に乗る。この電車は上越線に直通して高崎まで行ってくれる。所要時間は1時間48分。外は暗くて車窓は地下鉄のよう。各駅停車なので、駅に着くたびに夜の寂しげな風情を眺めて過ごす。両毛線は地図を見ると蛇行しているので、頂点になっている桐生駅と伊勢崎駅で忘れずに位置登録した。

 ところがここでまた失敗。友部から桐生まではほぼ直線なので、途中の駅で位置登録をしなかった。ところがこの2点間の距離は、90kmもあるのだ。コロプラのルールでは、74kmまでは1km=1プラで、75kmからは遠くなるほど付与率が下がる仕組みになっている。90kmの場合は77プラしかもらえない。友部から70km以内のどこか、例えば乗り換えた小山駅で位置登録しておくべきだった……。

小山駅の両毛線ホームは水戸線から離れたところにある。成田駅の苦い経験から、急ぎ足で乗り換えた

21:00 高崎駅

 この時間、残念ながら駅弁屋は終了していた。昼までに駅弁ふたつを食い溜めしておいて良かった。高崎発21時05分の湘南新宿ライナーは、平日ダイヤではちょっと早く出るので乗り継げない。今日が休日で良かった。この列車はE231系電車で、一部の車両はクロスシートになっている。ほどほどに混んでいて相席だが、進行方向に向いた席に座ると落ち着く。横浜着は23時51分で、約3時間の乗車だ。さすがに身体も目も疲れて、携帯ゲームで遊ぶ気分にもならない。位置登録だけは欠かさず実行する。大宮で73プラ。1km=1プラのレートに収まってほっとした。

湘南新宿ラインで横浜へ。約3時間の乗車

 落ち着いたところで、急に湘南新宿ラインのルートが気になってきた。こちらの地図を見てほしい。

 湘南新宿ラインは大崎から南へ分岐し、「蛇窪信号場」で新横須賀線と合流する※。この蛇窪信号場は大崎駅か品川駅の構内になっていたはず。品川駅扱いだと困る。既に京浜東北線で品川駅を通っているため、130円大回りの規則に反してしまうからだ。さっそく携帯電話からWikipediaを検索。すると、蛇窪信号場は大崎駅構内扱いだった。よかった……。

 しかし「湘南新宿ライン」を検索したところ、重大なことが分かった。実は、湘南新宿ラインは運賃計算上、品川駅経由という扱いになっていたのだ。大崎駅から蛇窪信号場経由の西大井駅までの区間はもともと貨物線なので、旅客営業距離が設定されていない。“便宜上は貨物線で短絡しますけど、旅客車としては品川駅を通過することにしますよ”ということである。うっかりしていた。

 そう、湘南新宿ラインで横浜に向かうと、今回の130円大回りは認められない。なぜなら、運賃計算のルールで品川駅経由となる以上、同じ駅を2度通過する形となるからだ。片道きっぷとして有効な部分は大崎までとなる。

 どうしよう? このまま横浜を回って蒲田で降りても駅員には分からないだろう。「大回りをしていました」と言えば「そうですか」で済むかもしれない。ルートの説明を求められても、実際に品川駅を通過したわけではないし、そんな規則は知らなかったと言い張ってみようか……。

※新横須賀線…横須賀線として運行される区間のうち、品川−西大井−新川崎−鶴見(東海道線との合流地点)の別名。正式には東海道本線の支線。品鶴線とも呼ばれている。横須賀線はかつて東京駅の地上から東海道本線の線路を経由していた。しかし東海道線の列車が増え、横須賀線の電車も増発が難しくなったため、1880年に現在のルートに変更された。そこで新横須賀線と呼ばれるようになった。新横須賀線には3月に武蔵小杉駅が開業する予定で、南武線と乗り換えが可能になる。そのため、大回りルートやJRの最長片道切符のルートが変わる可能性がある。

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