もう1つの食堂、そば・うどんの「藪伊豆」は江戸時代享保年間からの歴史を受け継ぐ伝統ある店。各省庁にも古くから出店しているようで、1956年に法務省に進出したのを皮切りに、現在では国土交通省、警視庁、衆議院、参議院、高等裁判所などにも店を構えている。
看板メニューは、冷し野菜炒めそば。食べてみると、サッパリしていてうまい。野菜がたくさんとれて健康的とあって、特に年配の職員に人気だという。「藪伊豆」は「手しごとや 咲くら」より利用者の年齢層が高く、男性が多いということで2つの食堂の住み分けができているようだ。客単価も「手しごとや 咲くら」が620〜630円、「藪伊豆」は380〜390円と差が出ている。
「藪伊豆」でも2008年6月から、入口近くのポスターにメニューごとの自給率一覧を表示するようになった。「できるだけ国産の比率を高めるように」という要望が省側からあるようで、うどんは国産小麦粉と国産米粉を混ぜて作っているという。「米粉を使用した料理を導入するため、試作を重ねた結果、オリジナルの国産100%米粉入りうどんが完成した」と「藪伊豆」を経営する野川麺業の野川博史社長が話してくれた。
しかし、そばの方は、以前は国産そば粉使用と、外国産そば粉使用の2種類を出していたのだが、2009年は台風上陸で最大の産地である北海道が不作となったため、今はすべて米国や中国、カナダのそば粉を使っているのだという。
ちなみに2つの食堂の間には、同様に手続きなしで入ることができる「消費者の部屋」という場所があり、農林水産業に関するさまざまな展示を行っている。
筆者が訪れた際には「ふれあい牧場の週(2月22日〜26日)」というテーマで展示が行われており、神奈川県の服部牧場から連れてきたウシやヒツジ、ヤギが部屋の中を闊歩(かっぽ)していた。定期的にさまざまな展示が行われているということなので、近くに行く機会があった時には食堂とともに寄ってみてはいかがだろうか。
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