先週最も読まれた記事は「プリウスは本当に“不具合”なのか――クルマのソフトウェア化を考える」。2位は「できる人とできない人の『めんどくさい』の違い」で、3位は「こんなモノを身につけてはいけない? 男性のNGグッズとは」だった。
記者クラブに属していない媒体の記者でも各省庁の会見などを取材できる機会が増えているおかげで、最近、霞が関に行く機会が増えている。取材先が増えるのはありがたいことなのだが、霞が関界隈で困るのは食事をする場所。霞が関は見渡す限りの官庁街で、おなじみのファストフード店や定食屋が見当たらないのだ。
官庁内に食堂を設けているところも多いのだが、ほとんどの場合、入館するのにいちいち手続きをしなければならない。そんな中、手続きなしで誰でも利用できるよう、食堂を開放しているのが農林水産省だ。省内のすべての食堂を開放しているというわけではないのだが、そば・うどん「藪伊豆」と和食・カフェテリア「手しごとや 咲くら」の2店舗がその対象となっている。
東京メトロ霞ヶ関駅のB3a出口から西に向かい、工事中の農林水産省北別館入口から建物内に入ると、2つの食堂を利用することができる。入口右奥にあるのが「手しごとや 咲くら」で、入口手前にあるのが「藪伊豆」だ。
「手しごとや 咲くら」はアラカルト形式の店で、大学生協の食堂のような雰囲気。しかし、大学生協と違っているのは、ほとんどの料理のプレートに値段やカロリーだけではなく、自給率が書かれているということ。「広島産カキフライ」は自給率81%、「メンチカツ」は自給率43%といったように表示されているのだ。
農林水産省の一部の食堂では以前から自給率を表示していたのだが、2008年6月からほぼすべての料理で自給率を表示するようになったのだという。「なぜ自給率を表示することが大切なんですか?」と農林水産省の担当者に尋ねると、「日本の食料自給率は41%と先進国の中では最低です。もしも世界的な食糧危機が起きて、日本が食料を輸入できなくなってしまうと、現在の自給率のままでは国内の食料が不足するので、自給率を引き上げる取り組みが必要です(参照リンク)。食堂に来ていただいた方に自給率に関心を持っていただくため、表示をお願いしています」と話す。
「手しごとや 咲くら」は主食の米に特に気を遣っているようで、現在は三重県安濃町の横山農園で作った特別な米をわざわざ取り寄せているという。関西の米は交通事情の関係で、東北や関越地方の米より輸送コストがかかってしまうのだが、それを打ち消すほどの魅力があるようだ。筆者も実際に食べてみたが、冷めてからもモチモチした食感が持続しているように感じた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング