日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「こんな安くて本当に大丈夫?」と、こっちが心配するほど超良心的な価格帯のメニューで「サラリーマンの味方」として定評のある「熱烈中華食堂日高屋」(以下、日高屋)が、炎上してしまった。
といっても火元は、店舗での異物混入や不適切投稿ではなく、経営者によるものだ。
経済ニュース番組『WBS』(テレビ東京系)が、特定技能1号(外食業分野)の外国人労働者受け入れが一時停止したことを受けて、日高屋を運営するハイデイ日高の青野敬成社長に見解を尋ねたところ、次のように語った。
今まで4割ぐらいは外国人でやろうと考えていたところが、今年はもう手の打ちようがない
外国人の特定技能はだめとなると、日本人の高校卒業生や大学卒業生、専門卒を中心に取るしかない
これが放送されたことで、ネットやSNSで「なんで日本人が外国人労働者の代用みたいに語っているの?」「そこまで外国人をたくさん雇うのは助成金が出るからではないか」などの指摘が相次いで、大炎上。
その2日後、日高屋の公式Xが「謝罪文」を投稿し、外国人も日本人も待遇は全く変わらないことや、助成金などを受け取っていないことを釈明したのだが、鎮火することなく別の批判に発展してしまう。
日本人と外国人の待遇が同じならば、まず日本人の採用に力を入れて、それでも足りない部分を外国人労働者に補ってもらう「順番」を思い浮かべる人が多いはずだ。だが、青野社長の言葉からは、そんなニュアンスは感じられなかった。
日本人も外国人も人件費が同じならば、なぜ外国人を採用できないことにそこまでガッカリしているのか、という多くの人が抱く疑問については「ゼロ回答」と言っていい。そのため、「なんか、ごまかそうとしてない?」と受け止められ、さらに不信感が強まったのである。
しかし、日高屋をかばうわけではないが、このような中身の薄い謝罪文になってしまったのも、やむを得ない部分がある。
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