それでは、日高屋が言及を避けたセンシティブな情報とは何だったのか。これは筆者の想像だが、「どんなに苦労して採用してもすぐに辞めてしまう日本人の新卒に比べて、特定技能外国人のほうがしっかりと定着してくれる」というシビアな外食の現実ではなかったか。
厚生労働省が2025年10月に公開した「新規学卒就職者の離職状況」(2022年3月卒業者)によると、新卒の就職後3年以内の離職率は高卒で37.9%、大卒で33.8%だった。しかし、そんな平均値よりもズバ抜けて新人が辞めていく業界がある。そう、「宿泊業・飲食サービス業」だ。
高卒でなんと64.7%、大卒で55.4%。つまり、外食企業に新卒で入社した日本人の若者は、3年以内に半数以上が離職していることになる。
このような「人材の定着」に頭を悩ませる外食企業にとって「救世主」となっているのが、特定技能外国人である。
出入国在留管理庁の「特定技能外国人の自己都合による離職状況(暫定値)」を見ると、この制度が始まった2019年4月から2022年11月まで「外食業」での特定技能在留外国人は4644人。そのうち離職したのは911人で、4年7カ月間での離職率は19.6%になる。
これは「宿泊」(32.8%)、「農業」(20.1%)に次いで高い離職率ではあるが、それでも、日本人新卒者の離職率と比べれば、かなり低いといえる。こういう「現実」を踏まえたら、なぜ青野社長が「日本人軽視」とも受け取れるような発言をしてしまったのか理解できるだろう。
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