開業後7年間は赤字 常夏の沖縄で「クリスマス雑貨専門店」が年商1.3億円に成長したワケ(1/3 ページ)

» 2026年06月05日 07時30分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

 常夏のイメージが強い沖縄で、クリスマス雑貨専門店「クリスマスランド」が好調だ。年間を通じて多くの観光客が訪れる北谷町の商業施設「デポアイランド」内で営業し、年商は1億3000万円に達する。

クリスマスランドの外観(画像:編集部撮影)

 常時3000種類以上のクリスマス雑貨を扱っており、クリスマスシーズンには人工のクリスマスツリーも販売する。繁忙期は10〜12月だが、シーズン以外でも毎月400万〜500万円ほどの売り上げを安定して維持している。

 雪や寒さを連想させるクリスマスと、温暖な気候の沖縄。一見すると結び付きそうにない両者だが、なぜクリスマス雑貨店が人気なのか。クリスマスランドの宮城七恵店長に話を聞いた。

品ぞろえは3000種類以上 年に2回、ドイツから仕入れる

 クリスマスランドの特徴の一つが、豊富な商品数だ。店内にはオーナメント(装飾品)やスノードーム、くるみ割り人形など、常時3000種類以上の商品が並ぶ。クリスマスシーズンには1階の売り場だけでなく、2階のツリー売り場も本格稼働する。

スノードーム(画像:クリスマスランド提供)

 商品の平均価格帯は2000円前後で、客単価は3000〜8000円程度。クリスマスシーズンにはオーナメントや雑貨をまとめ買いする客も多く、購入額が高くなる傾向にあるという。

 商品は主に欧州から仕入れている。宮城氏らは年に2回、ドイツ・フランクフルトで開かれる世界最大級のクリスマス関連の見本市をはじめ、複数の展示会を視察し、翌シーズン向けの商品を選定する。買い付けのたびに40フィートコンテナ(67.5平方メートル)1個分の商品を発注し、欧州から輸入しているという。

 クリスマスランドでは、ノーム人形(大地の精霊・妖精「ノーム」をモチーフにした人形)やスノードーム、クリスマスツリーに飾るオーナメントなど、長年人気を集める定番商品を軸に品ぞろえを構成している。

 ただ、雑貨業界は商品の入れ替わりが激しく、メーカー側も1〜2年ごとにラインアップを刷新する。そのため同店では、来店客の要望や販売実績を踏まえた商品の導入や独自商品の開発にも取り組んでいる。

 「見本市では、複数のメーカーが共通して押し出している色やモチーフから今年のトレンドを判断します。トレンド商品を押さえつつ、クリスマスランドの過去の販売実績や来店客の好みを踏まえて、仕入れる商品を決めています」(宮城氏)

ノーム人形(画像:クリスマスランド提供)

 来店客の声を反映した商品の一例が、映画『ホーム・アローン2』に登場する鳩のオーナメントだ。2022年から数年にわたって、商品に関して来店客から問い合わせがあったが、欧州テイストを重視する店舗方針から当初は導入を見送っていた。しかし、要望が途切れなかったため、2024年に初めて仕入れた。最低発注数の2ダース(24個)を仕入れたところ、年度内に完売した。

 また、自社考案の沖縄限定のオーナメントも展開している。シーサーや沖縄県の地図をモチーフにした商品で、デザインは同店が手掛け、製造はメーカーに委託しているという。 売上構成に占める割合は大きくないものの、単品ベースでは店舗屈指の人気商品だ。特に欧米からの観光客や沖縄に駐在する米兵に支持されており、「旅行先の思い出をクリスマスツリーに飾る」という文化的背景が購入を後押ししているという。

沖縄限定のオーナメント(画像:編集部撮影)
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