「GoPro」は「ルンバ」と同じ未来をたどるのか かつては世界一も中国勢に追い抜かれた背景(1/3 ページ)

» 2026年04月21日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 アクションカメラの代表格といえば米GoPro社が展開する「GoPro」だ。だが、近年はその存在感が薄れている。

 2023年ごろまで世界シェアトップを維持していたものの、2024年には中国・深センのShenzhen Arashi Vision(シンセン・アラシ・ビジョン)が手掛ける「Insta360」に追い抜かれた。日本国内のシェアも4割程度を維持していたが、中国勢が台頭して2社で40%を超える中、GoProは10%を下回っている。中国勢は低価格ながらGoProと同等の製品を供給してきた。先駆者が安い中国勢に淘汰(とうた)される経緯はロボット掃除機「ルンバ」にも共通している。

出所:ゲッティイメージズ

日本勢が押さえる市場に食い込んだが……

 GoProの歴史は水中撮影可能なフィルムカメラから始まった。その後ビデオ撮影可能なデジタルカメラを発売している。当時はスマホも普及しておらず、デジタルカメラ市場では日本製がシェアを握っていた時代だった。

 そんな中、創業者の趣味がサーフィンだったこともあり、運動中に撮影することを目的として開発。装着しながら撮影する「アクションカメラ」として、新市場を開拓することに成功した。

出所:GoPro公式Webサイト

 アウトドアや旅行で没入感のある映像を撮れるため、GoProは人気商品となった。特に2010年代からスマホとともにSNSが普及すると、投稿用の映像を撮影したいニーズをつかんだ。ソニーなど日本勢も同市場に参入したが、GoProの存在感を前にシェアを伸ばすことはできなかった。

 GoProは2014年に米NASDAQ市場に上場、累計出荷台数は5000万台を突破している。だが冒頭の通り、近年のシェアは低下している。出荷台数は2015年に約660万台を記録したものの、2025年は約200万台と3分の1にまで減少した。年間売上高も減少傾向で、営業赤字が続いている。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR