謎の社会派ブロガー・ちきりんさんと、プログラマーでありながら日本一のニートを目指しているphaさんの対談6回目。自分がやりたいように生きていければいい――といったオルタナティブな生き方は、社会の中で大きな存在になっていくのだろうか。この質問に対し、ちきりんさんの答えは「否」。なぜちきりんさんは、「自由に生きていく人たちは増えない」と見ているのだろうか。
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31歳。大阪府大阪市出身、現在は東京都内に在住。京都大学を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにインターネットとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞める。今は毎日ふらふらしながら「日本一のニート」を目指している。
独学で覚えたプログラミングを用いてネットに数々のWebサービスを公開。また、プログラマなどが集まったシェアハウスである「ギークハウスプロジェクト」を運営している。
ちきりん ところでphaさんは、がんばっている方々をどう思われますか?
pha 僕もちきりんさんの考えと同じですね。がんばっている方はがんばるのが好きでやっているんだから「どうぞがんばってください」といった感じ。でも勝間和代さんに「ニートについてどう思われますか?」と聞いたら、思いっきり存在を否定されそうですね(笑)。
ちきりん かもしれませんね。
pha まあ、商売上としても、僕みたいな生き方を肯定はできないと思いますが……。ちきりんさんが言うように、多様性というものは必要ですよね。ニートの話で言えば、僕は働く人も働かない人も両方いてバランスがとれると思っています。世の中全員がバリバリ猛烈に働く人だったとしたら、そんな社会は息苦しくてものすごく住みにくいだろうし、逆に世の中全員が怠惰なニートだったとしたらその社会は面白くないだろうと思います。
僕は社会というのは自然にバランスをとるものだと思っていて、世の中全員がバリバリ猛烈に働く人だったとしたら反動として自然に働かない人たちが生まれてくだろうし、世の中全員が怠惰なニートだったとしたらその中から退屈した奴らが出てきて仕事を始めるでしょう。社会にはいろんな考え方があるし、1人の人間の中にも勤勉なところと怠惰なところが同居していたりするし、そういったいろんなバランスがとれた結果として社会現象は起こると思っています。
だから今の社会のこういった雰囲気の中で、ある一定の割合がニートという選択肢を選ぶことは自然だし、それを無理矢理働かせようとしてもあまり意味がないことだと思います。社会の状況を変えずにニートにただ「働け」というプレッシャーをかけても、人間を追いつめるだけで全く解決にはならないですね。
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