DVDソフト市場にも価格破壊の波? 映画『2012』が1980円(1/3 ページ)

» 2010年03月18日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
2012』(BDとDVDセット)

 DVDソフト市場にも価格破壊の波が押し寄せようとしている――。

 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)は3月19日に、SFパニック映画『2012』を発売する。通常、DVDの新作タイトルは4000円前後で販売されているケースが多いが、『2012』は1980円(特典映像を収録した2枚組DVDは2980円)。またBlu-rayディスク(BD)は5000円前後で流通しているのに対し、DVDが付いて3990円という価格で販売する。

 映画『2012』は2009年11月に公開。人類滅亡の日(2012年12月21日)を描くSF作品で、興行収入は日本で38億円を突破した(2010年1月時点)。また北米を除く海外でも約549億円を超えるヒット作品となった。

 これまでの慣例であれば、通常価格(DVD1本4000円前後)で販売するはず。しかしなぜSPEは、これほどのヒット作品を低価格で販売するのだろうか。実はDVDソフト市場は2005年をピークに減少傾向が続いており、特にリーマンショック以降は逆風が吹き荒れている。ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンの調査によると、2009年のDVDソフト市場(BD含む)の売上額は2437億円で、前年に比べ11%も減少。こうした苦しい状況を打破するため、SPEは低価格によって消費者の需要喚起を図っているのだ。

旧作も値下げを検討

 DVDソフトの販売価格について、疑問を感じている人も多いのではないだろうか。例えば、DVD発売後半年もすれば、店頭で値引きが行われる。そのため「映画のDVDは買いたいけど、少し待ってから購入する」という人も多いかもしれない。事実、SPEが行ったマーケティング調査によると、そうした不満の声があったという。ではいくらくらいであればDVDを買うのか、といった質問に対し「2000円を切れば購入を考える」といった回答が目立った。

映画『2012』(c)2009 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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