第29鉄 特急料金100円、長野電鉄のロマンスカーで小布施へ杉山淳一の +R Style(3/5 ページ)

» 2010年03月23日 05時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 ロマンスカーゆけむり号は和菓子の老舗が並ぶ街、小布施駅にも停車する。ここには古い車両を保存展示するコーナーがあるのだが、古すぎてちびっ子ガイドさんは興味がないらしい。まあいいか、帰りにゆっくり散歩しよう。栗おこわも食べたいし。

 終点の湯田中に近づくにつれ、前方に見事な形の山が見えてきた。私のガイドさんは山に興味がないらしく、名前を知らない。小さな女の子を連れたおじいさんが「高社山だよ」と教えてくれた。「登ってみたくなる形ですね」と言うと、「誰でも上れる。頂上までリフトがあるで」とのこと。なるほど。

高社山が見えた(左)。志賀高原へ向かって……(右)

湯田中駅に到着(左)。湯田中駅の旧駅舎は、1927(昭和2)年の建築。国の有形文化財になっている(右)

湯田中の街を散策。住宅街に温泉のくみ上げポンプがあったりする(左)。街から高社山を望む(右)

帰りは各駅停車で途中下車の旅

502号機関車の内部通路。狭くて通れない

 湯田中の街を散策し、帰りに小布施駅に寄ってみた。構内の「ながでん電車の広場」の電気機関車や電車を見物する。この日は各車両の扉が開いていたので、車内にも入れた。502号電気機関車は昭和2年に日立製作所で作られた。当時はリンゴや木材などの貨物輸送の主力で、なんと半世紀にわたって活躍したという。扉は小さく、通路は狭い。通り抜けたかったけれど、メタボ体型の私には無理。昭和ヒトケタ世代の体格って小さかったんだなあ。

 隣の電車はもっと古くて大正2年製。こちらも55年にわたって活躍したが、長野駅周辺を地下化したとき、防災基準に適合しなかったため廃車となった。形式名は「デハニ200」。デは電車、ハは3等車、ニは荷物車を示す。室内は1/3ほどでを壁で仕切り、客室と荷物室が作られていた。座席の表面が痛々しいけれど、壁などはきれいに塗られている。電車の運転台も狭い。私の足は入らない。その奥にある電車は昭和24年製の「モハ1000」。こちらは少し大柄だ。昔の運輸省が定めた規格に沿って作られたため、全国で似たような電車が走っていたという。

小布施駅「ながでん電車の広場」(左)。荷物室のある電車(右)

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