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» 2010年05月13日 01時30分 公開

富士通のコーポレートガバナンスを正したい――野副州旦元社長が語る、社長辞任騒動(3/5 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

問題のファンドは本当に反社会的勢力とかかわりがないのか?

 会見後の質疑応答では、外国人記者たちから騒動の内実だけではなく、日本企業のあり方についての質問も数多く投げかけられた。

――富士通のトップとして、反社会的勢力による被害を防止するため、どのようなガイドラインをしいていたのでしょうか?

野副 経営トップとして、反社会的勢力の人たちと一線を引くということについては、日常の行動や経営方針の中に十分取り込んだと私は自信を持っています。そして、反社会的勢力との関係が疑われるような企業や人たちと付き合ったり、何らかのビジネス上の関係を持つことについて、私自身はまったくなかったと考えています。

――反社会的勢力と疑われる組織と関係しないことに気を付けていたということですが、今問題になっているファンドは、実際に反社会的勢力と関係があると疑われているそうです。そこで私がうかがいのが、どうやって取引しようとする企業が反社会的勢力と関係あるかどうかを確認しているのか、また問題のファンドについて警視庁に実施に反社会的勢力と関係があるか確認したのかということです。

 野副氏さんは問題のファンドが、そういう疑わしいものと考えていなかったので、そもそも調査していませんでした。

小澤 富士通の社長は年間100件以上のM&Aのディールを検討しているので、いちいち社長本人がチェックすることはしません。「怪しい」という情報があがってくれば、彼はチェックしろと言いますが、今回は「怪しい」という情報すらあがってきませんでした。もともと怪しくなかった。

 警視庁には、照会をかけるような必要性がまったくなかったので、照会をかけていません。ところが会社の方、あるいは秋草氏や間塚氏は、警視庁情報があると(辞任を迫った際に)断言していた。ところが、記者会見で警視庁情報があったのかと聞いたら、警視庁に情報をとっていないと記者会見で明確に述べています。だから、警視庁情報はこちらとしてはとっていないし、会社としてもとっていないと言っている。その必要性さえないファンドだと認識しているということです。

弁護士の小澤幹人氏

――独自に調査されたということですが、調査した時には警視庁に確認されましたか?

小澤 東証の上場企業は、資金調達先について、警察の情報を手に入れることができます。問題のファンドは複数の東証一部上場企業の資金の調達先となっているので、そういう意味では東証において、「警察情報あるいは警視庁情報で、そのファンドが反社会的勢力とのつながりがない」ということは認めていると理解していいと思います。

――ご自身や弁護士の方たちが直接警視庁に行って、問題のファンドが反社会的勢力との関係があるかということは公式に確認されていますか?

 警察は直接情報を出してはいけないので、その回答については非公式ということです。

――公式に反社会的企業と確認できないのに、そういう組織と仕事をしてはいけないとなると、「どうやって反社会的企業と確認すればいいのでしょうか」ということになると思うのですが。

野副 今回はそういう問題も提起していると考えた方がいいと思います。ビジネスプラクティス上から言うと、警視庁に「この企業についてどういう情報があるでしょうか」と一般企業が聞いても、個人情報の保護とかがあって、企業評価についての情報が警視庁から出るということについて、欧米に比べて日本ではそれほど進んでいるわけではありません。

小澤 正確に申し上げると、上場企業が照会をかけると正式に答えていただけますが、野副さんは(個人であって)上場企業ではないので、正式な照会をして、正式な回答をしていただくことは通常は困難です。

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