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» 2010年05月18日 08時00分 公開

「節約疲れ」な消費者の財布をどうしたらつかめるのか?それゆけ! カナモリさん(2/2 ページ)

[金森努,GLOBIS.JP]
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牛丼の値下げ競争も一息?

 もう1つ注目したいのが、牛丼業界の「ニッチャー」である「神戸らんぷ亭」だ。

 同社は業界内でも珍しい、醤油だれベースではない「塩だれ牛丼」を展開するなどの独自性が光っている。そして、変わり種味として「味噌味」も店舗限定、期間限定で展開し始めた。

 「神戸らんぷ亭が『戦国牛丼・信長』を2店舗で販売」(ナリナリドットコム3月30日)

 織田信長が好み、当時は贅沢品として重宝された味噌を使用とのことだ。並盛り500円。さらに新メニューも全店で展開するという。 

 「5/10 より『ねぎとろ丼』を発売開始しました!!」(PRタイムズ5月11日)

 こちらも同じく並盛り500円。

 そう。両メニューの価格に注目である。牛丼業界は300円を切るか切らないかという、しれつな低価格戦争を展開中だ。その中で500円、ワンコインは「ちょっとした贅沢」を狙った展開ではないかと考えられる。

 昨今のランチは300円〜500円に抑えたいとする人が非常に多い。500円ならいざ知らず、本当に300円に抑えるのは、実は結構厳しい。280円のすき家の牛丼か、コンビニでおにぎり+カップ麺という、カラダとココロに少々よろしくない昼食が続くこととなる。

 そのランチ予算の上限500円を「知覚価値価格設定」でキッチリ狙っているのだと考えられる。

 一方に振れた振り子は、必ず反対側に振れる。健康志向、メタボ抑制の動きの反動で、「メガフード」はすっかり市民権を得た。消費者が「節約疲れ」しているかは定かではないが、消費を抑制していることは間違いない。その振り子が反対に振れる時が来たのかもしれない。しかし、まだ景気は本格的には回復していない。反対側への振れ幅は小さいだろう。

 その、小さな振れ幅をどう取り込むのか。各社の知恵の使い方が試されている。

金森努(かなもり・つとむ)

東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道 18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。

共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。

「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。


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