コラム
» 2010年05月28日 08時00分 公開

うつ病からの復職を考える(2/2 ページ)

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リストラが離婚に発展する理由

 私自身が支援している中では「リストラ→無職→家庭不和(およびうつ状態)→離婚」が順当な展開であり、この負のスパイラルを避けるためには、仕事向けだけではないさまざまなカウンセリングが重要だと思うのです。

 「男のプライドなんて、どうでもいい」と言ってくれるカウンセラーを持つことはある意味重要なのですが、一般的な心理カウンセラーはサラリーマンや中間管理職を経験したことがありませんから、会話がかみ合わないことも多く、カウンセリングをはしごして、当社にたどり着く方も少なくありません。

 ちなみに、なぜ離婚が出てくるのかというと、離婚をする場合財産の分与を行いますので、最も手元資金が多い状態での離婚が有利になるからです。

 無職期間が続き、家庭不和になったり、うつ状態/うつ病を発症したりすれば、5年後や10年後に、5年前の家庭環境や家族関係を保てるイメージはなくなるので、仕事に生きてきた男性は捨てられてしまうということになります(カウンセリングをしていると、40代以上の元会社員の3割超がそのような状況になっていると感じています)。

 子どもにとっての親であることは変わらないとしても、配偶者にとってのパートナーでいられるかどうかについては、きちんと考えておいた方がいいかもしれません。

働く意味を考える

 ここでは、働くことの重要性を話すのではありません。家族を守るため、自分自身の存在意義を確認するためなどの話もしたいわけではありません。まずは、自分が働くということが、何を生み出すのかについてもう一度考えていただきたいのです。

 自分自身が動くことで、何らかの価値を生み出してきたのであれば、早期退職制度に乗って、一時金を手にして、新しいフィールドに飛び出すことも1つの手段です。しかし、会社に滞留することで賃金を得ているのであれば、次の仕事を見つけること自体がとても難しくなるわけなので、安易な退職を考えるのはいかがなものかと思います。

 うつ病からの復職を考えている方でも、有限責任事業組合を通して事業を創造して、小さな雇用を行ってもらうと、「やはり元来優秀な方々が多いのだなあ」と気付かされます。この場合、1日当たりの労働時間を1時間〜3時間程度に限定しなければならないという制約はありますが、もともと真面目に仕事をしてきて、自分自身の期待と表出する成果のギャップに悩んできた方は、自然にしていてもそれなりに頑張ってくれます。

 「滞留することで賃金を得る」という働き方から、「価値を創造する」という働き方に意識を変えていくことで、今離職している方々は大きく変化・飛躍することもありますし、現在就業されている方は、これからのキャリア・リスクに対抗する心構えを得ることができます。

 仕事がなければ仕事は紹介できます。しかし、それは単なる仕事であって、価値を生み出す雇用ではないかもしれません。まずは、自分自身が「働く」ということで生み出せる「価値」について整理していただいて……。それから見えてくることもたくさんあると思います。(荒川大)

 →荒川大氏のバックナンバー

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