これはおくるみかベビーキャリーのようにも見えるが、幼児保育器である。低体重児が多く生まれてくる地域に向けた現在開発中のプロダクトだ。
相変化素材の袋をお湯で温めてこのプロダクトの中に入れ、赤ちゃんを中に寝かせる。36〜37度で約4時間保温可能であり、もちろん繰り返し使える。また、従来型の保育器と比べて100分の1のコストで製造できるという。低体重児で体温を保つことができず死亡する赤ちゃんは毎年400万人以上。この製品を使用することで、その中から1人でも多くの赤ちゃんを救い出すことができるかもしれない。
使い古した足踏みミシンを使った人力発電機。これは九州大学のアシル・アハメッド氏とリコーの有志によるプロダクトである。足踏みミシンの動力に、簡単な回路を組み合わせて発電し、電気を蓄電するという仕組み。
足踏みミシンはもちろん、回路に使う部品などもすべて途上国でも調達可能なもので組み合わせ、それによって、発電機を作るビジネスを自分たちで行えるようになるところまで提案している。まだ実際に使われてはいないようだが、今後に期待できるアイデアである。
これは、ペットボトルの中に水を入れ、直射日光に約6時間さらすと、太陽光の熱と紫外線が水中のウイルスやバクテリアを消毒するというアイデア。特別な装置は必要ない。使い終わったペットボトルを準備するだけで飲み水が確保できるのだ。これはSODISというところが、ボリビア、エクアドル、グアテマラなど24カ国の地域で行っている活動である。
「この会場ではとにかくたくさんの事例を紹介したい」と発起人の本村氏はいう。展覧会を通して、まずは、こういったプロダクトを必要としている人が世界にそんなにたくさんいるのだということが分かる。それを感情に訴えるのではなく、ただ淡々と紹介していく。
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