生き残るのが難しい……ゴーストライターの世界吉田典史の時事日想(4/4 ページ)

» 2010年07月02日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3|4       

 こういう姿勢でゴーストライターをしていくと、マナーを心得た著者や、一定水準以上の編集者とめぐり合う可能性が高くなる。それでも問題は絶えないが、何でも引き受けていたころよりは多少まともになるだろう。こうなると、年間で3〜5冊請け負うことができる。

 実はゴーストライターをする以前のところで、勝負はついているのだ。毎月コンスタントにそれなりの収入を得ると、ゴーストライターとしても高い収入を得るようになっていく。好循環サイクルが回り始めるのだ。私は専門学校やNPOでライターを相手に教えているが、多くのライターがこのサイクルを回すことができないがゆえに低収入に苦しみ、消えていく。

 この業界で、ライターの収入が少ないのは「原稿料が安い」とか「印税が低い」という人が多い。確かにその通りかもしれないが、実は好循環サイクルを回すことができないことこそが、大きな問題なのである。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.