DESIGN TOKYOで見つけた“次に売れる照明”の形

» 2010年07月26日 18時18分 公開
[加藤宗肖,Business Media 誠]

 2010年7月7日から9日にかけて、東京ビッグサイトで開催された「DESIGN TOKYO 第1回東京デザイン製品展」。インテリアやファッション、テキスタイルなど、デザイン製品を集めたイベントの一角で、「PROTO LAB(プロトラボ)」という特別企画が行われた。

 PROTO LABは、「照明部門」「イス部門」の2部門に分かれており、それぞれで興味深いコンセプトデザインが展示された。出品されたアイテムは、どれも独創的なアイデアとスタイル。今回は照明部門について、特に筆者の目をひいたものを中心にレポートする。

安らぎを誘う果物「Fruit Lamp」

 「Fruit Lamp」は、半透明のリンゴ型のカバーに覆われ、芯部分に光源が内蔵されたランプ。紫とオレンジのグラデーションのリンゴの“表皮”を通じて、光は色付いて広がる。また、カバー部分を取り外して芯単体でも使用できる。

PROTO LAB イチバデザインスタジオ/市場純生「Fruit Lamp」

 コンセプトは、果物の持つ「豊かさ」「新鮮さ」「可憐さ」といったイメージを光で表現すること。デザイナーの市場純生氏は、カラーデザインに対する造詣も深く、色がもたらす空間の華やぎを意識したという。

ミニマルな直線美「Line」

PROTO LAB 茨木千香子「Line」

 「Line」は真っ直ぐに立つ照明本体と台座以外には何もなく、ミニマルな印象を受ける。光源に真っ白なLEDを使用することで、シャープな光が真っ直ぐに伸びる。また、コードなどの余計な要素が省かれた必要最小限の構成は、暗い室内へ差し込む一条の光をイメージする。

 デザイナーの茨木千香子さんは、「シャープな光を作りだすことで、空間に静寂をもたらすことを意図した」という。LEDがもたらす光自体を美しく見せることを主において制作された製品だ。


 出品されたアイテムは、どれも製品化を目的にしたプロトタイプ。ほとんどがLEDを積極的に使っていた。すでに2011年夏の第2回開催に向けてデザイナーの募集が始まっている。

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