上杉隆×高野孟 小沢一郎はなぜ、代表選に出馬したのか(後編)(2/2 ページ)

» 2010年09月08日 08時00分 公開
[Infoseek 内憂外患編集部]
内憂外患
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小沢一郎、政治とカネ

上杉 司法で「小沢一郎の政治とカネの問題」の何が残っているかというと、何が残っているか、誰も言えないんです。地検も3回捜査し、元秘書も3人逮捕し、西松建設を含め1年半、みんな追求しているのに起訴もできていない。検察審査会も2回目はなにも出していない。政治とカネの問題を誰も答えられないわけです。そういう意味ではマスコミの洗脳なんですよね。それしかない。

 小沢一郎になんの縁も義理もないけれど、日本のメディアの報じ方はおかしい。ニューヨークタイムズでも書かれていましたが、「こんな報道はありえない、こんなのなら誰だって書ける」とあります。小沢一郎さんの政治とカネの何が問題なのかを書くことがジャーナリズムなのに。

 「政治資金についてチェックしていないのはおかしいじゃないか」と質問したのは私ですし、「脱法行為があったら返さないのか?」と聞いたときも答えました。細かく質問しているのはこちらなのに、メディアは遠くで遠吠えしているだけです。政治とカネの問題がある、というならきちんと記者会見で質問すればいいんです。本人に聞けばいいだけの話です。

 日本の民主主義でおかしいのは、検察審査会って検察が任意で選ぶ11人で構成されていますが、その決定が国会議員の身分を左右するわけなんですよ。でも国会議員は選挙で選ばれて、国民の得票によってなるものです。その身分を匿名の11人が奪う、というのは憲法上の疑義があるのでは、と思いますね。

 それを疑問視しないで当たり前のように報じているのはおかしいです。こんなのは民主主義のジャーナリズムではありえないのですが、日本のメディアでは眉唾で見た方がいいのかな、と思いますね。

 小沢一郎さんも権力ですが、検察も権力です。両方とも公権力です。マスコミの役割は公権力のチェックです。両方ともチェックすれば良くて、それを取材して我々読者や視聴者に提供して判断を委ねればいいんです。この民主党代表選も含めて、自分たちで判断するな、と言いたいですよね。

本記事は「Infoseek 内憂外患」において、2010年8月30日に掲載された「上杉隆×高野孟 小沢一郎はなぜ、代表選に出馬したのか(下)」を再掲したものです。Infoseek 内憂外患では、「小沢VS.菅 民主党代表選 公開討論会」や「小沢VS.菅 民主党代表選挙合同立会演説会」の動画も公開しています。


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