そんなガルボファミリーの中でも、ガルボボールがヒットしたのはなぜなのか?
まず挙げられる理由として「形」がある。何と言っても大きい。現在のコンビニのチョコレート売り場では、小袋タイプやスティックタイプといった小さな商品が主力となっている。この状態のチョコレート売り場にガルボボールのような大きな形の商品が導入されると、単純に目立つのである。
また、大きさだけでなく箱タイプなのも大きい。ポッキーやトッポよりもはるかにボリューム感があるので、顧客へのアピール力が強い。この形を利用して、積み上げるような商品陳列(ピラミッド型)を行う店舗も出現し、商品PRが大いに行われたのである。
ヒット理由の2つ目は「テレビCM」である。チョコレートの宣伝では、近年では久しぶりの大型テレビCMの放映となったのではないだろうか。人気者の広末涼子さんを起用したテレビCMは、一般消費者への訴求は抜群だったろう。
ヒット理由の3つ目は「発売日」。業界では「秋チョコ」と呼んでいるのだが、毎年9月はチョコレートの新商品が多く発売される。これは日本人の消費支出傾向に合わせているのだが、ガルボボールはそれより約1カ月早く発売したのである。同一カテゴリーの新商品が少なければ、コンビニのチョコレート棚の良い場所を広く、たくさん確保できる。これによって、顧客へのPR力が高まったのである。
以上の3つの理由から、ガルボボールはヒットしたと筆者は考えている。ちなみに足元のコンビニのチョコレート部門のランキングを見ると、1位「ガルボミニポケットパック」、2位「ガルボボール」、3位「ガルボミニつぶ練り苺ポケットパック」とガルボファミリーの一人勝ちとなっている。
9月に入って、各社が秋チョコを投入しているのだが、今年はまだ目玉となるような商品が登場していないので、定番商品が強くなっているようである。9月末には「シャルロッテ・アイ」など、期待される商品が発売されるので、その反響が楽しみだ。
船井総合研究所シニアコンサルタント。複数企業でキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。クライアント先である「NEWDAYS」の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。月刊コンビニ(商業界)で連載を持つほか、著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー』(どちらも同文館出版)がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング