米国株はまちまち、円高が進み内需株が高いが指数は冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月07日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9684.81円 ▼6.62円
売買高 21億9281万株
日経平均先物 9690円 ▼10円
売買代金 1兆4226億円
TOPIX 846.06 △1.56
値上がり銘柄 980銘柄
東証マザーズ指数 366.85 △3.37
値下がり銘柄 520銘柄
日経ジャスダック平均 1173.59円 ▼0.99円
変わらず 160銘柄
騰落レシオ 114.97% △11.58%

日経平均

米国株はまちまち、円高が進み内需株が高いが指数は冴えない展開

 米国株はまちまちとなり、底堅さも見られたのですが為替が円高に振れたことから売り先行となりました。それでも、金融緩和効果を期待して不動産株など内需銘柄に買いが見られたことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、指数は底堅い展開となりました。底堅さが確認されると買戻しも入り、堅調となる場面もあったのですが、期待された円売り介入もなく、利益確定売りに押されるように方向感のない展開となりました。

 後場も引き続き円高を嫌気しながらも介入期待や内需株物色の動きから売り叩き難く、軟調ながらも下げ渋りとなりました。円高を嫌気する動きだけではなく、為替動向に関係なく目先の値動きだけで低位銘柄を物色する動きも見られましたが、指数を大きく動かすようなこともなく、市場全体としてはいっこうに方向感の見られない展開となりました。金融緩和効果に期待する動きもあるのでしょうが、為替に関しては「円高容認」と言うような感じで、内需銘柄が物色されたものと思います。

 小型銘柄も方向感のない展開となりました。主力銘柄、特に低位銘柄の売買や持高調整が中心で小型銘柄まで目がいかないかのような展開で方向感はなく、東証マザーズ指数は堅調、日経ジャスダック平均は小幅安となりました。先物も方向感はなくまとまった売り買いは散発的に見られるものの、追随して大きく方向感がでることもなく、目先筋が中心となっていたものと思われます。明日のオプションSQ(特別清算指数)に絡む売り買いもほとんど見られませんでした。

 内需銘柄や低位株を物色する動きは見られ、一種「マネーゲーム」的な売買も膨らんではいるのですが、為替政策などの方向性も見られず、いっこうに盛り上がりません。金融緩和期待からもっと買われてもいいのでしょうが、「円高容認」と言うような展開となって為替の影響も気になるところで、買い切れないということなのでしょう。世界的な金融緩和競争、通貨安競争に対してどのようなスタンスで望むのか、政府・日銀の方向性をきちんと示して欲しいものです。そうすれば、今後の市場に対しても対処し易いものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 「三役好転」となったものの、上値の重い展開となりました。RSIもストキャスティックスも上値余地はあり、上昇が続いているのですが、決して低い水準から切り返したような状況でもなく、徐々に上値の重さが気になるところではないかと思います。雲のサポートを確認するような場面もあるかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 雲の上限で上値を押さえられて雲を抜けきれない状況です。それでも遅行線が日々線にサポートされた格好でもあり、RSIもストキャスティックスも上値余地があって上昇が続き、堅調な強含みの展開は続くものと思います。

円相場

NYダウ

 安値更新となりました。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、反発も期待されます。少なくとも値幅的な調整は終わり、転換線までの戻りを試すことになるものと思います。遅行線が日々線の底値の日柄になるまで底堅さを確認する動きとなりそうです。

銘柄ピックアップ

円高を嫌気するも内需株が堅調

イオン(8267) 976 △55

 昨日の引け後に発表した2010年3−8月期の連結最終損益が同期間で過去最高益になったことが好感されて買われました。市場予想を上回ったことで素直な反応となったものと思います。

ダイキン(6367) 3070 ▼40

 円高を嫌気して機械株全般が売られる流れの中で軟調となりました。インドで家庭用エアコン市場に本格参入すると新聞で報じられたことで、業績拡大期待から底堅い展開となりました。

ABC マート(2670) 2657 △124

 昨日の引け後に2011年2月期の連結経常利益が前期比1%増となりそうだと発表、従来予想を下回ったのですが、既に株価には織り込まれていたことや足元の円高を好感して買われました。

エルピーダ(6665) 892 ▼36

 DRAM価格の下落が来年前半まで続き、業績が悪化傾向にあるとして外資系証券会社が目標株価を大きく引き下げたことが嫌気されて売られ、大幅下落となりました。

古河池(6937) 537 △15

 猛暑の影響で補修用バッテリーの販売が伸びたことで、2010年4−9月期の連結営業利益が前年同期比5割増となったもようだと新聞で報じられて買われ、堅調となりました。

パスコ(9232) 204 △13

 日本版測位衛星の「みちびき」を使い、従来より早く高い精度で地図を作るシステムを全国に導入すると新聞で報じられ、業績拡大期待から買われて大幅高となりました。金融緩和で低位の株を物色する流れにも乗って買いが集まったものと思います。

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