今年はテレビも来たぞ、『らき☆すた』聖地の鷲宮神社へ初詣に行ってみた(1/2 ページ)

» 2011年01月01日 14時30分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 アニメ『らき☆すた』の舞台となったことから、ファンが“聖地巡礼”するようになった埼玉県久喜市の鷲宮神社。正月三が日の初詣客はアニメ放映前の2007年は13万人だったが、2008年30万人→2009年42万人→2010年45万人と順調に増加している。

 しかし、拝殿がそれほど大きくはなく、賽銭箱も1つしかない鷲宮神社。参拝時間が1日20時間(6時〜翌2時)で、平均3人が一緒に参拝して、15秒間隔で入れ替わるとすると、ひっきりなしに参拝者が訪れたとしても正月三が日で受け入れられる限界は43万2000人である。つまり、2009年や2010年の参拝者数で、キャパ的にはほぼ限界ということになるのだ。

 鷲宮神社のある鷲宮町が、合併で2010年3月23日に久喜市となって初めて迎える年越し。2010年の元旦にも訪れた筆者であったが、2011年の元旦の様子も見に行くことにした。

鷲宮駅は東武鉄道伊勢崎線にあるのだが、東武鉄道は「姫宮なな」さんというイメージキャラクターを2008年に採用しており“萌え”文化への理解は深い

 12月31日の20時ころに鷲宮駅に着くと、駅前にはアニメキャラクターのコスプレをした人や、ペイントを施した自転車(痛チャリ)に乗っている人たちが集まっていて、「久しぶりー」などと声を交わしている。コミックマーケットで配布された紙袋を持っている人もおり、2010年は2年連続で大晦日にも開催されたため、昼はコミックマーケットに行って、夜は鷲宮神社で年越しという流れができているのだろう。

 早速、鷲宮神社へ向かったのだが、鳥居前の様子がいつもと違う。入り口横にある大酉茶屋わしのみやの前に大きなやぐらができていたのである。駐車場にはテレビ局のクルマが数台止まっており、かなり大掛かりなセットが組まれている。付近の店舗で尋ねると、元日の0時45分〜5時にフジテレビが『ホメられてピカるくん!!!』という番組の中で鷲宮神社を生中継するということで、あいさつに来たのだという。

 元日に生中継があるとは、もはや明治神宮や浅草寺並みの扱いである(言い過ぎ?)。つい5年ほど前には数万人の参拝者数だったことを思うと、隔世の感がある。

 100回以上絵馬を奉納している常連参拝者の方がちょうど絵馬を取り付けようとしていたので、「今年はテレビ来ていますね」と興奮気味に話しかけたのだが、「そうですね、盛り上がるみたいですね」と第三者的な視点で話していたのが印象的だった。神社の厳かな雰囲気が変わってしまうのは、常連にとってはちょっとさびしいことなのかもしれない。

フジテレビが中継の準備をしていた

 しかし、テレビ中継を準備している付近に野次馬が100人ほどいたものの、21時ころに拝殿の様子を確認すると、参拝者の列はまったくできていなかった。ファンなら好きなものの発売日には前日から行列を作りそうなものだが、それがまったく見当たらないということは、さすがに今年は盛り上がりも落ち着いたというところなのだろう。

12月31日21時ころの拝殿

 年越しまで時間をつぶすため、鷲宮神社周辺を散策することにする。鷲宮では大晦日に合わせてさまざまなイベントを企画しており、スタンプラリーを行ったり、「ツンダレうまからソース」なる調味料を販売していたりした。

 ツンダレうまからソースは2009年の大晦日に売り出した「ツンダレソース」の新バージョン。「かがみの激ツン辛味」と「つかさのバルサミコ酢入り」があり、1本630円だ。鷲宮への訪問者を増やすため鷲宮の商店でしか販売していないのだが、埼玉新聞によると「ツンダレソース」はこれまでに1万3000本も売れたのだという。

筆者が昨年購入したツンダレソース、まだ使い切っていない(左)、2011年バージョンのツンダレうまからソース(右)

化粧品店のディスプレイでは化粧品より『らき☆すた』新刊の宣伝が優先されていた(左)、この祭りはアリなのだろうか……(右)

 一連の企画の仕掛け役となっている鷲宮商工会近くの駐車場が参拝客用に開放されていたのだが、訪れるとアニメキャラクターなどを車体にプリントした「痛車」がたくさん止まっている。数えてみると、その数は実に31台。さすが、かつて「痛車祭り」でイタシャ・オブ・ザ・イヤーを選んだ場所だけあるということか。

 中にはトランクを開けると大型テレビを見られる仕掛けになっている痛車もあり、周辺の痛車乗りたちが集まって、スカパーが放送していた「アニソン紅白2010」を見ていた。

駐車場に止まっているクルマの20%程度が痛車だった(左)、鷲宮商工会のクルマも痛車仕様だ(右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.