はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。
新年おめでとうございます! 今年も「ちきりんの“社会派”で行こう!」をよろしくお願いいたします。
さて、2011年はどんな年になるでしょう? ちきりんは「今年あたり、日本は“旧世代の価値観”からいよいよ本格的に脱皮できる年になるのでは?」と予想しています。
バブルが崩壊した1990年以降、日本は失われた20年間を過ごしてきました。こんなに長く報われない時間が続けば、「努力すれば報われる」とか「経済的な豊かさが幸せの基盤」などという、高度成長時代に作られた常識を信じられなくなる人も増えるでしょう。
今年あたりからは「努力しても報われない場合もあるさ」というような考え方も、(後ろ向きだとか暗いとか言われることなく)ごく普通に受け止められるようになると思います。
今までは、大学を出て安定した会社に勤め、経済的基盤を構築してから家庭を持ち、家を買って子どもを育て……というのが「幸せな生き方のレシピ」でした。けれど今の状況ではレシピ通りに人生は進みません。「大学を出て安定した会社に勤め」の時点で多くの人がつまずいてしまうのが現実です。
「大学卒業後3年間は新卒扱いする」などという案も、「まずは就職できないと幸せな人生が始まらない」という前提に基づく対策でしょうが、3年以内に好景気にならない限り、就職できない人の絶対数は減りません。
そんな状況下で従来通りの固定概念にとらわれていると、多くの人は「あるべき論を実現するために生きる」ような人生を余儀なくされてしまいます。
ちきりんとしてはこれからは、社会が掲げる「お手本的なライフプラン」から自分自身を解放し、「●●くらいはできないとダメ」と言われることのうち、1つでも実現すればいいさという程度に、少しばかり“ゆるめに”考えて生きればいいのではないかと思っています。
すべての人が、就職もして、結婚もして、家も買って、子どもも育てて大学までやり、その上、老後の準備も自己責任で整える、などという完璧な人生を目指す必要もありません。そういう人生を実現するために、つらいことを我慢し続けるのでは本末転倒です。
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