「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。
※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。
ぼんやりとした色が入り交じる風景、色と色の境界はなく渾沌としている。そんな夢うつつの風景の中に佇むのは、幼い女の子。たったいま目覚めたばかりなのか、目の前にあるのが現実なのか夢なのか、まだ分からないといった表情を浮かべ、大きな瞳は今よりも少し先の方向をぼんやりと見ている。
画面からはふんわりと包み込むような空気を漂わせ、見ているとこちらの頭もぼんやりとしてきてしまい、いつの間にかそっちの世界に行ってしまう。マーク・ロスコの瞑想空間に近い、ちょっと言い過ぎかもしれないが、ロスコの絵に清涼感をプラスしたという感じだろうか。
この絵を描いたのは、村上隆氏が率いるカイカイキキの新人アーティストobさんだ。obさんは、2010年京都の高校を卒業したばかり、18歳の若きアーティスト。1月14日からカイカイキキギャラリーではじまる個展「Respiration」で本格的に作家デビューを飾る。創作のエネルギーにあふれ、独自の世界を構築。個展直前、カイカイキキの三芳スタジオで制作中にインタビュー、村上隆氏との出会い、そして初個展への意気込みを聞いた。
この絵はすごく大きいですね。ぼんやりとした目をしている少女の姿が印象的です
Respilationという個展のタイトルにもなっている作品で「呼吸」という意味。朝起きたときに気持ちいいという思いをこの絵にしました。もっと上に行きたいとか、いい絵が描きたいとか、自分が成熟したいとか、そういう意味がこもっています。
obさんが絵を描き始めたのはいつですか?
中学2年生くらいだったと思います。部活はテニス部でした。特に絵が好きだったわけではなくて、漫画は好きでしたが、特にという感じで。友だちがみんな絵を描いていたから描かないと仲間はずれになっちゃうなと思って描いたくらいで。最初は、コピー用紙に鉛筆で透明水彩とかを使って。描くのは女の子ばかりで、漫画の模写とかをしていました。
絵の中にはどんな女の子がいるのでしょう?
幼いっていうか、無垢な感じ、何も知らなさそうな子たちを描いています。年齢を重ねるごとに、子どもって言うことを聞いてくれなくなるじゃないですか。例えば、小さな子って、手を叩いてくださいって言ったら何の疑問も持たず手を叩いてくれる、それくらいの年齢の子どもの方が描きやすいなと思って。子どもが好きと言えば好きなんですけど、絵のモチーフとしてやりやすいから子どもを選んだという方が正しいかもしれない。
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