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» 2011年03月31日 08時00分 公開

原発事故はいつ収束するのか?――東京電力・勝俣恒久会長が事故後初の会見 (7/9)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

ガスタービンの立地は

――(読売新聞)代替の燃料、つまり火力発電について「今、ガスタービンを検討している」ということですが、ガスタービンは都市型であることにメリットがあって、非常に柔軟にいろんなスペースに作ることができるのですが、その代わり長距離を送電するのにはあまり向いていないと思います。土地代がかかり、燃料代も高くなるので、立地を考えないといけないのですが、具体的な計画はありますか。また、燃料代が高いというのでは、安い燃料も当然あると思いますが、15年ほど前に電源のベストミックスがよく議論されたころにオリマルジョンが俎上に上がったことがあります。非常に安いのですが扱いが難しいということですが、オリマルジョン導入の検討はされていますか。

藤本孝副社長 ガスタービンの設置場所は現在の火力発電所の中に空いた敷地があり、もちろんそこには送電線も来ているので、そこでどういう風に設置していくかを考えています。オリマルジョンはまだ市場性がないので、夏と言うことを考えると、立ち上げるのはちょっと無理だと思うので、今の既存のLNGか軽油でガスタービンを立ち上げていくことを考えています

――(読売新聞)そうやって火力発電で(原子力発電の分を)補った場合、CO2(二酸化炭素)の排出量はどのくらい増えると試算されていますか。

藤本 CO2の排出量は、当然増えることになります。環境問題については別の段階で考えさせていただきたいと思いますが、今はとにかく、お客さまに停電ということで大変ご迷惑をおかけしていますので。

 「どれだけガスタービンを設置できるのか」も、ちょっとかき集めているところなので(分かりません)。その段階で数字は明確になってくると思います。

藤本孝副社長

――(週刊現代)資金調達にも関わってくる株式の価格が急落していますが、これについてコメントを。

勝俣 大変市場の厳しさと申しますか、それを私たちとしては厳粛に受け止めています。株価回復も含めて、回復は原発の今の状況を何とか安定的に収束させるのがそのスタートだと考えています。

――(週刊現代)計画停電にはどうしても不公平感が漂いますが、総量規制(企業などが利用可能な電力量の上限を政府が定め、その分を超えて電力を使えないようにする規制)は考えていますか。

藤本 夏場には13〜14時くらいにですね。電力使用量のピークがきます。総量規制という考え方は全体の電気の使用量を減少させるということなので、必ずしもそれはピークを押し下げることと一致しない場合もあります。

 私たちとしてはできるだけ、総量規制(は避けたい)。節電という意味で大変感謝していますが、ピークをクリアすることにご協力いただくことについて、ぜひお願いしたいと考えています。

――(共同通信)「福島第1原発1〜4号機は廃炉せざるをえない」とおっしゃっいましたが、廃炉に伴って予想される困難さと、スケジュールを教えてください。

勝俣 まず、当面第一はとにかく冷却して冷温にするということが1つあります。このステップの絡みとして、今、原子炉の中に海水を注入したため、海水がかなり入っています。それで煮沸されて塩分が入っているので、どうやって除去すればいいのか。塩分がそれだけ入っているということは、配管などを含めて腐食が早くなることにつながるので、その対策を講じる必要があります。

 もう1つは、建屋から、あるいは格納容器からもあるかもしれませんが、放射能が漏れていることです。それをどうやって封じ込めるか、というかコントロールするかという問題もあります。

 それから最終的にと申しますか、遮蔽(しゃへい)するということ。これも含めて、並行的に検討しています。

 もう1つは、燃料プールや原子炉に入っている燃料棒をどうやって取り出して、ほかに保管するかということも場合によっては課題になってきます。これらはそれぞれ非常に大きな課題で、今、米国なども含めて、いろんな技術が使えるか否かということまで総力をあげて検討しているところです。従って、いつまでのスケジュールとは申し上げにくい状況にあります。

――(北海道新聞)「東電は自社の営業エリア内に原発がない」とうかがっています。これは地方にリスクを押し付けて、首都圏での自社の繁栄を享受していることにならないでしょうか。これは恥ずべきことではないでしょうか。

勝俣 ご指摘のようなお考えもあり、私たちとしても「何とか首都圏に」ということもいろいろ検討したのですが、立地など含めてなかなか難しいというのが現状です。そうしたことから福島県、新潟県、青森県にお願いすることになったわけですが、そうした中で今回のようなことを起こしましたことは、大変申しわけなく思っています。

――(フリーライター・ムラカミ氏)勝俣会長の答えが歯切れが悪くてよく分からないのですが、私の質問はすごく簡単なのでイエスかノーかで答えてください。「今回の事故で被害に遭われた方には、東電を潰してでも補償を優先させる」というお気持ちなのでしょうか。

勝俣 最大限の補償というか、お詫びなども含めてしたいと思っていますが、全体としては原子力損害賠償法の枠組みの中で、政府の法律がどうなるかということを含めて考えていきたいということです。

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