大企業の正社員、3割は会社を辞めるちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(1)(2/7 ページ)

» 2011年05月06日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

みんな、家で働きましょう

素顔を出さないちきりんさん

ちきりん:夏になれば、電車はもっと間引き運転になったり、駅の冷房が止まったりするかもしれません。そうすると、「こんな大変な思いをして会社に行くのはバカバカしい」と考える人が増えるんじゃないかなと思ってます。

城:僕は1990年代に社会人になりましたが、当時と比べても、今の働き方はかなり変わってきていますね。昔はみんなが集まって会議をしていましたが、今はメールと電話で済ませることが多い。でもそれを会社でやる必要はなくて、自宅でもできてしまう。日本でテレワーキングの普及率はものすごく低いのですが、その理由をみんなで考えるタイミングだと思います。

ちきりん:夏前に企業側から「みんな、家で働きましょう」という動きがでてくるかもしれませんね。

城:そうですね。

ちきりん:政府が「各企業は在宅勤務を2割にしなさい」といった号令をかければ、みんな一斉にやるんでしょうが(笑)。

城:それって“統制経済”ですよね。電力使用の大幅な削減を求める「総量規制」導入の話がありますが、基本は各企業がやればいいだけのこと。例えば「私は○日に出社しますが、○日は休みます」と決めればいい。しかし国は統制経済っぽいことばかりしようとしている。

ちきりん:そうなんです。私は、資本主義の視点でいうと、本来は価格で調整すべきと思っています。電力の大口契約者に対しては価格を上げ、1日○○万ワット以上使用すればものすごく高くするとか。そうすれば企業は「電気代が高くなるので、みんな16時までに帰るように」「全体の2割は在宅勤務」といったことを始めるはず。

 資本主義の基本は市場における価格調整なのに、これを好む人は少ないですね。例えば電力を産業別に○%割り当てようとかすると、おかしなことになりそう。会社の各部署に削減目標が割り当てられ、みんな「何をやめれば電気使用量をカットできるか」を夜遅くまで残って考える。それでも終わらないから、家に持ち帰ってサービス残業をしたりする、みたいな変なことが起こりそうです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.