3キャリア対応スマートフォン専門店「AND market 霞ヶ関」オープンスタッフはケータイ販売経験なし

» 2011年06月01日 05時13分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 NECモバイリングは6月1日、スマートフォン専門店「AND market 霞ヶ関」を東京都千代田区の霞ヶ関ビルディングにオープンする。開店前日の5月31日、報道関係者向けに内覧会が行われた。

 NECモバイリングは全国で多くのドコモショップを展開しているが、AND marketではNTTドコモだけでなく、au、ソフトバンクモバイルの3キャリアが販売しているスマートフォンを扱う。店内にはiPhoneやAndroid端末などのスマートフォンが並び、実際に触ってみることができるほか、iPadやAndroidのタブレット端末、アクセサリーやヘッドフォン、スピーカーといった周辺機器、データ通信カード、ノートPCなどを販売している。

 AND marketの物販と並ぶもう1つの売り物が「サービス」だ。電話帳の移行サービスなど携帯電話ショップで行われている無料のサービスだけでなく、音楽や写真、動画などのデータ移行、メールの送受信設定、OSのアップデート、アンチウイルスソフトのインストールなどのサービスを1回1000円で提供。このほか、月額525円で電話サポートを何回でも受けられる会員制サービス「らくサポ」を提供、AND marketで入会できる。携帯電話業界で、サービスを有償で提供するのは初めてという。

AND market 霞ヶ関の店内。携帯電話のショップには付きものの専用受付カウンターがない
3キャリアのさまざまな端末が並ぶ
ケースや保護シート、イヤフォンなどのアクセサリー類も選びやすい(左)。テザリングの説明も(右)

携帯電話の販売経験がないスタッフを選んだ理由は「接客重視」

 販売スタイルも特徴的だ。接客スタッフは「携帯電話の販売経験者はゼロ。お客様のおもてなし、接客経験を重視した」(NECモバイリングホームICT事業推進部の西川征一氏)。元客室乗務員や商業施設の販売員など接客経験が豊富なスタッフが、携帯電話のキャリアやサービス、スマートフォンについて学び、店舗オープンに臨んだという。

 同店がターゲットとするのは「これからスマートフォンに乗り換えようと考えているユーザー」。スマートフォンで何ができるか分からない、自分にどんな端末が向いているかが分からない、というユーザーに対して、特定のキャリアや端末に偏ることなく、ユーザーのニーズやライフスタイルに合うような接客を行う。

 しかし、一般の携帯電話に比べ、スマートフォンの販売対応は難しい。ユーザーの相談にきめ細かく対応するには、キャリアのサービスや料金体系だけでなく、OSやアプリについてなど、幅広い知識がスタッフに要求されるからだ(参照記事)

 そこでAND marketでは、販売ツールとしてiPadアプリを開発した。料金体系の案内や、各端末の紹介、端末に合わせたアクセサリーやおすすめアプリなどの案内を、iPadを使って行う。「スタッフは覚えることが多すぎて大変。そこで、ツールを使うことでサービスの平準化を狙っている。通信速度の差など、口頭の説明では分かりにくいことも、実際に(動画を)見ていただくことで直感的に理解できるよう説明できる」(西川氏)

端末の特徴や料金プランなどもiPadアプリで説明

 NECモバイリングでは年度内に、同様の直営店を都内に3店舗ほど展開予定としている。従来の店舗とは違い、NECモバイリングではAND marketをトライアル的な位置づけの店舗と考えているという。「スマートフォンの販売やサポートのノウハウをためていき、将来的には他店舗へも展開したい」(西川氏)。また、霞ヶ関に1号店を開いたのは、同店がある霞が関ビルディングの上階にNECモバイリングの本社が入っているため。「(霞ヶ関の)1号店は業界関係者へのショールーム的な性格が強い。今後は一般ユーザー向けに、フラッグシップ店を展開したい」(同)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.