大幅高だが物色対象も絞り切れず盛り上がりに欠ける展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年06月29日 18時12分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9797.26円 △148.28円
売買高 16億7003万株
売買代金 1兆1365億3000万円
値上がり銘柄 1357銘柄
値下がり銘柄 198銘柄
騰落レシオ 117.07% △10.11%

日経平均

米国株高に反応して大幅高だが物色対象も絞り切れず盛り上がりに欠ける展開

 米国株が大幅高となったことや為替が円安に振れたことから買い先行となりました。シカゴ市場(CME)の日経平均先物が大きく上昇していたこともあり、大幅高の始まりとなりましたが、寄り付きの買いが一巡となった後は一旦上値が重くなる場面もありました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が大幅買い越しと伝えられたこともあり、堅調な慈愛は続きました。9800円という節目を意識する水準では上値も重く、売買高も盛り上がらなかったのですが、値持ちの良い展開が続きました。

 後場も堅調な地合いが続きました。上値の重さや盛り上がりのなさは気になりましたが、かといって売り急ぐようなこともなく値持ちの良さを見て買い戻しを急ぐ動きも見られ上値をうかがうような雰囲気も見られました。引けを意識する時間帯には先物主導という感もありましたが、指数を押し上げるような場面もみられ、盛り上がらないままに指数ばかりが押し上げられるような感じで大幅高、高値引けとなりました。特に買い上がる手掛かりに乏しい中での大幅上昇だけにまだ本格的な戻りにはなりきれない可能性もありますが、楽観的な見方も増えてくるのだと思います。

 小型銘柄は主力銘柄が大幅高となるなかで上値も限定的となりました幕間つなぎ的に買われていたものが手仕舞い売りに押され、主力銘柄への乗り換え売りに押されるものもみられました。東証マザーズ指数は大幅高となったのですが、二部株指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20は堅調に止まりました。先物もまとまった売り買いは相変らず朝方みられるだけで少なかったのですが、引けを意識する時間帯にまとまった買い戻しもみられ、指数を押し上げる場面もありました。ただ、追随する動きは限られ、指数を大きく方向付けるようなことはありませんでした。

 本来であれば大幅高と素直に喜んでも良いのでしょうが盛り上がりに欠けるところが気になります。一目均衡表も日経平均はしっかりと雲を抜けて底入れ確認となってきたのですがTOPIXがまだ上値の重い展開となっており、日経平均が(=値がさハイテク銘柄などが)けん引して銀行株や電力株などが引き上げられるのか、電力株や銀行株が重しとなって、ハイテク銘柄などの足を引っ張ることになるのか、ここからが正念場となってくるのだと思います。底入れ感が出るには売買高が少なく盛り上がりに欠けるところが気になります。

テクニカル分析

日経平均

 雲を抜けて「三役好転」となりました。強気転換、底入れ確認ということですが、RSIは上値余地もあるものの、ストキャスティックスは高値圏にあり、ここで上値が重くなり、雲のサポートを試すという展開になるのかもしれません。

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