中国人女性とのデートで、「中華食べに行こうよ」がNGな理由Wu Yuの中国版“新人類”とうまく付き合う方法(3/5 ページ)

» 2011年07月13日 08時00分 公開
[Wu Yu,Business Media 誠]

で、なんの中華料理?

 「高収入」「クルマ」「持ち家」「戸籍」「四柱推命」――これら5つの条件が中国の結婚で重要視されるのはシビアな現実ですが、「恋愛」となると話は別です。

 やはり人の心は条件だけで割り切れません。日本人も同じでしょうが、中国人もやはり自分のことを一番理解してくれる異性に心を惹かれるものです。

 実は本連載のテーマである「中国コミュニケーション」にもそれはあてはまります。中国人のことを理解している人は、中国人から好意を抱かれ、コミュニケーションも円滑に進みます。逆に中国のことを知らない人は、中国人とのコミュニケーションがうまくいかないケースが多いですね。

 例えば、日本にやってきたばかりのとき、学校の男の子からこんな風に食事に誘われました。

 「Wuさん、おいしい中華料理屋さん知っているから、一緒に行こうよ」

 「なんの中華料理?」

 私が尋ねると、彼はちょっとムッとしながら答えました。

 「だから中華料理だよ」

 「うん、それは分かった。で、なんの中華料理?」

 「……だから……」

 「……」

 私は言葉につまりました。どう説明していいか分からなかったのです。私たちの間に気まずい空気が流れました。

 ご存じの方も多いでしょうが、中国には「四川料理」や「福建料理」「湖南料理」など八大料理があり、味や風味なども全く違います。私たち中国人にとってこれらの「地方料理」はそれぞれ性格が違う個別の料理なのです。

 日本では他国料理を「トスカーナ料理」とか「シチリア料理」という「地方」での呼び方をせず、「イタリアン」と「国」でひとくくりに呼ぶのが主流ですが、中国では「日本の鍋料理」など細分化しています。ちなみに、日本で一般的に「中華」と呼ばれるものは、広東料理のことです。

 でも、彼はそんなカルチャーギャップがあることを知りません。当時の私も知りませんでした。知らない者同士なので、互いに何を言っているのかサッパリで、それ以上コミュニケーションをとることができなくなってしまったのです。

中国には「四川料理」や「福建料理」「湖南料理」など八大料理がある(写真と本文は関係ありません)

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