前日の大幅高の反動から軟調となるも底堅い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月21日 08時38分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>10005.90△116.18

<TOPIX>860.66△6.91

<NYダウ>12571.91▼15.51

<NASDAQ>2814.23▼12.29

<NY為替>78.78▼0.39

前日の大幅高の反動から軟調となるも底堅い

 前日の大幅高の反動から売り先行となりました。相変わらず欧州では財政問題が取り沙汰されてはいるのですが、特に問題視されることもなく、米国での債務上限引き上げの問題なども解決の方向に向かっているという楽観的な見方もあり、ダウ平均は堅調となる場面も見られるなど底堅い展開となりました。好決算を発表する銘柄も多く、QE2(量的緩和)が終了となっても信用収縮の動きが顕著になったということでもなく、景気鈍化懸念も薄れているのだと思います。

 好調な決算が財政問題などの懸念を打ち消しているようです。決して楽観視はできないのかもしれませんが、欧州金融不安や債務上限引き上げの問題など政治の道具として駆け引きの材料とされているようで、本当のところが見えない感じです。ただ、騒ぎすぎという感じもあり、好調な決算を発表する銘柄の株価の動きまで制限することも少ないのだと思います。業績発表動向に反応しながら景気回復を織り込む動きが続くのだと思います。

 個別には前日の引け後に予想を大きく上回る決算を発表したアップルが大幅高となりました。ただ、決算発表を控えたインテルなどハイテク銘柄は利益確定売りもあって総じて軟調となりました。引け後に発表されたインテルの決算も好調なのですが利益率の低下を嫌気して時間外取引でも軟調となっています。欧州金融不安が一段落となったことで、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースといった金融株も堅調、ボーイングは大型受注を好感して買われ、大株主が身売りを促したEトレード・ファイナンシャルは大幅高となりました。決算が予想を上回ったEMCや利益見通しを引き上げたユナイテッド・テクノロジーズは利益確定売りに押されました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を受けて大幅高となりました。ただ、主力銘柄の買い戻しが中心で指数を押し上げた感もあり、売買高も少なく相変わらず盛り上がりに欠けるなかでの大幅高でした。米ハイテク銘柄が好決算を発表したことで電子部品株などが高く、輸出株などの売られすぎた銘柄などが反発となりましたが、幕間つなぎとして買われていた銘柄などは利益確定売り、手仕舞い売りに押されて軟調となるものもみられました。

 米国市場が軟調となったことや昨日の大幅高の反動から軟調な展開となりそうです。昨日の大幅高も売買高を伴っていなかったことでまだまだ上値の重い展開が続きそうです。ただ、欧米の財政問題や米QE2(量的緩和)終了の影響などもほぼ織り込みつつあり、米企業決算も好調なものが多いことから日本企業の決算に期待する見方もあり、底堅さは見られるものと思います。ユーロは堅調ですがドルが軟調なことで昨日堅調となった輸出株の買戻しが続くのかどうかが注目されます。日本企業への影響の大きい米インテルの決算も販売は好調、利益率は低下ということで反応もまちまちとなるかもしれませんが、日本企業にとってはプラス材料だと思います。

 日経平均は引き続き10000円の攻防ということになりそうです。上値の節目とみられる10200円〜300円水準を抜けるだけの材料もなく、逆に下値の節目とみられる9800円〜900円水準を割り込むほどの材料もないということなのだと思います。手掛かりに乏しい中で物色対象も絞りきれず、売られた銘柄が買われ、買われた銘柄が売られるというような指数の方向感には乏しいような展開になりそうです。本日は10000円を割り込むと売りが止まり、10000円を超えると売りが出てくるということになりそうです。

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