ここで「ひとつ上の役職視点で仕事をする」ために、オススメな方法を事例を交えて紹介したい。
個人編
社内の出世頭であるAさんは自分の名刺1枚にある加工をしている。自身の名刺の役職部分にひとつ上の役職を手書きで記入しているのである。彼はその名刺を手帳にはさんだり、携帯電話の壁紙にしてできるだけ1日1回以上見るようにしている。強制的に「自分が上の役職だったらどのように仕事に取り組むか」を考える機会を作っているのだ。簡単な方法だが、視点の持ち方は意識次第でいくらでも変えることができるので、効果は抜群とのことである。
組織編
B社のある部門では、年1回の部門計画を作成するミーティングにおいて参加メンバーに工夫を凝らしている。通常は課長以上が参加するミーティングにおいて、キャリア5年前後のリーダークラスにも参加させているのである。「ひとつ下の役職メンバー」に重要なミーティングに参加させ、自然に「上の視点の討議」に関わらせることで、メンバーの視点を引き上げているのである。
「期待人事」という言葉がある。「役職を上げる」→「役職に即した視点で仕事をする」という効果を期待するものだが、ハイペースで出世する人の考え方はこれと逆の発想である。彼らの出世パターンは「高い視点で仕事をする」→「後から役職がついてくる」という流れで、いわば“後付け人事”とでも言うべきものである。
「自分はなかなか出世できないなあ」と感じている人は、まずはできることから始めてみてはいかがだろうか。あなたがヒラ社員であれば「もし自分が主任(係長)だったら」と想像しながら仕事をし、名刺にはひとつ上の役職を明記する。この2つはすぐにできることなので、ぜひ実践してほしい。(関厳、インタープライズ・コンサルティング)
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