スポーツクラブ経営で営業利益率22.6%、高利益率の秘密とは?嶋田淑之の「リーダーは眠らない」(1/6 ページ)

» 2011年10月21日 08時00分 公開
[嶋田淑之,Business Media 誠]

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」とは?

 技術革新のスピードが上がり、経済のグローバル化も進む中、日夜、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き、どんなことに注目して、事業を運営しているのでしょうか。「リーダーは眠らない」では、さまざまな企業や団体のトップに登場していただき、業界の“今”を語ってもらいます。

 インタビュアーは戦略経営に詳しい嶋田淑之氏。徹底した聞き取りを通して、リーダーの心の内に鋭く迫ります。


 今や国を挙げての健康ブームの日本。その一端を担うとされるスポーツクラブ・ビジネスに関しては、既存上場各社の経常利益を見る限り、ここ1〜2年、若干の持ち直しは見られるものの、全体的趨勢としては、この4〜5年、衰退・低迷の感を免れない。長期不況による個人消費低迷の影響は深刻のようだ。

 しかし、そうした沈滞感漂う業界内にあって、後発ながら2004年にJASDAQ上場、その後も躍進を続ける企業がある。愛知県三河安城市に本社を置く東祥である。

 スポーツクラブ(ホリデイスポーツクラブ)・ホテル(ABホテル)・賃貸(A・City)という3つの事業を展開し、売り上げ(2011年3月期108億300万円)の約8割を占めるスポーツクラブ事業が全体をけん引している。

東祥業績推移(同社IR資料より)

 ホリデイスポーツクラブの会員数は右肩上がりで増えているが、会員の年間来館日数は100〜140日と、業界平均(58日)の約2倍に達しており、同クラブが個々の会員の生活の一部として定着していることが分かる。

 同社の経営データを眺めた時、特に目を引くのが利益率だ。全国45カ所で展開しているスポーツクラブ・ビジネスの営業利益率は22.6%に達しており、全社レベルでの経常利益率18.5%は同業他社の2〜3%を大きく上回る。

経常利益率推移、A社はセントラルスポーツ、B社はルネサンス、C社はメガロス(同社IR資料より)

 業界全体として停滞する中にあって、高成長・高収益を持続できている要因は一体何なのだろうか? 三河安城の本社を訪ね、沓名(くつな)俊裕社長(60歳)にお話をうかがった。

東祥の沓名俊裕社長
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