3.11が変えたことはたくさんあるが、不動産選びの基準も変わった。「安全」という尺度である。
従来は通勤時間、商店や暮らしの施設、坪単価などが尺度だった。そこに「もしもの時」という尺度が加わって、地域価値が大きく変動している。職場が近くても液状化が起きるのはNG。遠いのは帰宅困難。土木工事や駆体工事は誠実に行われているか。不動産選びはあるべき姿になってきたと言える。
そこにもう1つ、“スティーブ・ジョブズの洗濯機選び”の教訓を付け加えたい。結婚後、彼はシンプルに暮らすため、家具1つ買うのも妻とじっくり議論した。なぜソファは必要なのか? 何に使うのか? 洗濯機も数週間悩んで、水や洗剤が少なくても衣服にやさしい洗い方ができるドイツ製に決めた。
どんな暮らしをしたいのか? 何を大切にするのか? 1日1日をどう暮らすのか?
これらに答えるとあなたの不動産価値が決まる。3.11は「Living=生きること」に向き合うきっかけとなった。
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