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» 2011年12月21日 08時02分 公開

津田大介×鈴木謙介、3.11後のメディアと若者(6):「絆」というキーワードが、危険な意味を含んでいるワケ (2/5)

[土肥義則,Business Media 誠]
ジャーナリストの津田大介さん

津田:このケースだけを特別視するわけではないですが、昔だったら助からなかった人がソーシャルメディアによって助かった事例であることは事実ですよね。これ以外に、被災地で新たな情報流通インフラになったことも含めて総合的に考えると、ソーシャルメディアは使って「役に立っている」という人が多いのではないでしょうか。

 人々にとって役立つことは、小さいことのほうが多い。そしてその小さいことの積み重ねによって、いろいろな意味で可能性が広がっていくと思っています。

 例えば、Facebookには「いいね」ボタンがあります。誰かがいいことをして、またはしようとしていて、それに共感して「いいね」ボタンを押せば10円、100円といった形で送金できるシステムになればいいなあと思っています。

鈴木:ほー。

津田:それが実現すれば、世の中が大きく変わるんじゃないかあと思っています。

 何が変わるかといえば、まず社会運動が効率化する。また何らかの目標を示すことができますよね。例えば被災地を復興させるために「ここに橋が必要です。しかしその資金に1000万円かかります」となれば、「いいね」ボタンを押す人もいるでしょう。

 さらにNPOも変わると思っています。NPOにはがんばってほしいと思っているのですが、組織である以上、スタッフには給与を支払っていかなければいけない。今の運営状況をみていると、目的を達成させるために、自分を犠牲にしている人が多いような気がしています。

 また、ある目的に対して、複数のNPOが存在しています。そうした活動をモジュール化できるのではないでしょうか。例えば同じ目的のために5つの組織が動いていたら、そのうちの1つはソーシャルメディアだけでお金を集めればいい、といった感じにする。で、目的を達成すれば、そのシステムをなくせばいい。

 しかし今の日本では資金移動の規制がある。この部分は、政治家がなんとかしてほしいですね。

鈴木:なるほど。

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