私は訴えられた。源氏名「奈々」という女性に中田宏「政治家の殺し方」(5)(1/2 ページ)

» 2012年01月12日 11時30分 公開
[中田宏,Business Media 誠]

政治家の殺し方:

この連載は書籍『政治家の殺し方』(幻冬舎)から抜粋、再編集したものです。

前横浜市長の中田宏氏は「女性スキャンダルまみれ」で「ハレンチ市長」と命名された。悩み苦しんで白髪頭となり、死を考えたこともあった。今だからこそ語れる、地方政治のダークな実態とは。

中田宏氏のプロフィール

昭和39(1964)年9月20日生まれ。会社員の父親の転勤に伴い小学生から高校生の間は横浜、福岡、大阪、茅ケ崎、横浜と移り住む。身長184センチ、体重75キロ。趣味は読書とフィットネスジムでのトレーニング。座右の書は「路傍の石」(山本有三)、座右の銘は「先憂後楽」。血液型、性格共にA型。


3000万円の慰謝料を請求された不倫騒動

 3000万円の慰謝料を請求した元ホステスの女性は、源氏名を奈々という。横浜市内にあるクラブに勤めていて、私と深い関係になったと週刊誌の記事に書いてある。確かに、そのクラブには行ったことがあり、その女性と会ったこともある。休日にクラブのママ夫妻と食事をしたこともある。

 しかし、単なる客とホステスという関係でしかない。初めての店では名刺を渡すこともあるし、携帯のアドレスを教えてほしいと言われれば断れない。政治家はサービス業でもあるのだ。求められれば握手もするし、写真撮影やアドレス交換もする。そのことで下心があったのだろうと詮索されたら、返す言葉もないが、政治家にとってはあいさつ代わりのようなものである。

 横浜市役所での彼女の会見で、私が送ったというメールの文面について記者から質問されていたようだが、本当に私が送ったものかどうか、裁判でも証明されなかった。この記事が掲載されたのが2008年で、一方的に「交際していた」といわれた時期は2004年である。4年前のメールが私の手元に残っているはずもない。そもそも4年間分のメールが保存される携帯電話なんてあり得ない。

 相手がだれであれ、送られてきたメールに返信することは当然あっただろう。よくよく思い返してみると、一度、雨で携帯が使えなくなり、復活した後にアドレス登録した人たちに一斉メールを送ったことがある。そうした文面を後から細工したのではないかと思う。私はあまり絵文字を使ったりはしないが、週刊誌に掲載されていた文面は絵文字だらけだった。

 また、付き合っていたと彼女が主張する時期、私がホテルに宿泊していたというのも荒唐無稽だ。週刊誌の記事のなかで、彼女は「奥さんと別居し、みなとみらい地区にある高級ホテル、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで暮らしていたんです」と語っているが、一度も妻と別居したことなどない。ましてや、ドアマンが人の顔を確認するような横浜を代表する高級ホテルに、なぜ私が女性と一緒に行くことができるのか。当然のことだがドアマンは私の車種やナンバーまで記憶しているのだ。それでは私は相当な間抜け者である。

 公用車を使って送り迎えをしたとも書かれているが、私は妻以外の女性を公用車に同乗させたことはただの一度もない。その場合も、外国からのお客様とのレセプションなど、夫婦同伴で仕事に行くケースのみである。そんなことは、私の周囲の市役所の職員はみな知っている。

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