中田:「時間が解決してくれる」と思っている。そうした思考は「問題蒸発型」と言っていいでしょうね。
僕は「現実を見る」ことが、ものすごく大切だと思っています。そんな話をすると「暗くなるから止めてくれ」という人もいますが、現実を直視しなければ「次の一手を打つことができない」と思っている。現実を直視すれば「これからどしゃぶりの雨が降る」ということが分かる。雨が降ることが分かっていれば、次の一手を打つことができる。
今の日本経済の状況を直視すれば、給与一律カットしただけでは問題は解決できません。どこを改めるのかという選択をし、決断をしていかなければいけない。そのためには国民は「リーダーシップとは何か?」というリテラシーを高めていかなければいけないのではないでしょうか。
ちきりん:その通りだと思います。「権力者はズルイんじゃないか」「リーダーは自分だけ得しているんじゃないか」と考える人は、リーダーになったことがないんだと思います。だからリーダーになることの大変さが分からない。想像もできない。実際にはリーダーってめちゃくちゃ大変ですよね。志やエネルギーなしにはとてもつとまらないのに、やったことない人はそれが分からない。
中田:「先生」と呼ばれる仕事というのは、ひと昔前まで聖職と言われてきた。例えば学校の先生、医者……そして政治家もそう。なぜ聖職なのか……といえば、誰よりも努力が求められ、見識を持って自分よりも他者のために接していかなければいけないから。
ちきりん:自己犠牲があって初めて成り立つ職業、ということですよね。
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