中田:多くの人は「先生」と呼ばれる仕事に対し、尊敬の念を持っていた。尊敬の念を持たれた結果、「先生」と呼ばれる仕事をしていた人たちはだんだんと慢心してしまった。心地よくなるような響き、心地よくなるような制度、心地よくなるようなもてなし、といったものが先生に対して出てきた。
その結果として、先生を目指す人たちの中で「待遇」や「もてなし」を求める人が増えてきた。待遇やもてなしを求めて先生になった人たちが増えてくると、尊敬とは逆の対象になってくる。「『先生』と呼ばれるほどのバカはなし」といった感じで(笑)。それが今に至っているのではないでしょうか。
そして多くの人は「政治家というのは大変ではない。どこかで自分の私腹を肥やしている」などと思ってしまう。こうした思考回路を逆転させることが、今、必要でしょうね。
(ちきりんさんと中田宏さんの対談、終わり)
ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
中田宏(なかだ・ひろし)
衆議院議員(3期)を経て、平成14年に横浜市長に就任し2期務める。横浜市の累積借入金を約1兆円純減、ごみ排出量40%削減、市営地下鉄、市営バス、水道局の黒字化など数々の改革を通し市財政を再建。現在、青山学院大学院などの客員教授を務めながら、全国各地での講演活動や本の執筆など多方面で活躍中。
2011年10月に発売された政治の利権構造を赤裸々に綴った『政治家の殺し方』(幻冬舎)は、Amazon.co.jpのベストセラー1位を獲得するなど好評を博している。
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