コンビニを滅ぼすかもしれない、“恐怖の物件”とはとあるコンビニオーナーの経営談議(3/4 ページ)

» 2012年02月17日 13時30分 公開
[かわりものや,Business Media 誠]
誠ブログ

何度も店の看板が変わる場所

何度も店の看板が変わる場所、ありませんか? (写真と本文は関係ありません)

 では、そのラーメン店の立地はどうなっているのか。

 大きな国道沿いで片道2車線。中央分離帯はないが、上り下りともにいつも交通量は多い。実質、片道だけの商売となっている。しかも、飲食店のピーク時間はいつも渋滞している道だ。渋滞から道を外れるという行為は意外に慎重になるもの。多くの人は「渋滞を抜けてから飯にしよう」と考えるだろう。

 ピーク時間外はというと、逆にスピードを出せる道なので、知らない人は通り過ぎてしまうのだ。飲食店やコンビニは、常連さんも大切だが、多くの一見さんに支えられている。この一見さんを逃すと売り上げは大きく下がるのだ。

 家の近所にできたラーメン店は、出店前に考えなければいけなかった。「以前、飲食店が潰れた場所だけど、ココに出店していいのかなあ」と。

 皆さんも見たことはないだろうか。「あそこの場所ってコロコロ店の看板が変わるよなあ」――そんな場所を。

 もちろん何かに取り憑(つ)かれているわけではない。

 そのラーメン店の近くにファミリーレストランがある。なのでオーナーはこう考えたのだろう。「ウチの前にあったのはファミリーレストラン。近くにあるファミリーレストランに負けて、撤退したのだろう」と。

 しかしラーメン店の建った場所は、近くにあるファミリーレストランと違って入り口が狭い。また交通量が多く、ある程度のスピードが出てしまうために、クルマが曲がり切れない。つまり、お店に入ることが難しい立地なのだ。

 では「入り口を広げたら?」と思われるだろうが、法律などが絡んでおいそれとはできない。以前あったファミリーレストランも、立地条件が原因で潰れたのではないか、と私は推測している。