GREE女子とmobage女子はギャンブル好き!?――データから見るペルソナ図鑑消費者理解コトハジメ(2/2 ページ)

» 2012年03月01日 08時00分 公開
[大久保惠司,Business Media 誠]
誠ブログ
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価値観、感性的な好みの違いは?

 GREE女子は「新しく出た商品は実際に買ってみていろいろ試してみる」という面が強く、「次から次へと欲しいものが出てきて困る」人たちです。また、mobage女子は「周りの人が持っているものを、思わず欲しくなってしまう」という面が強く、GREE女子と同様に「次から次へと欲しいものが出てきて困る」という人たちが多いようです。両者を比較すると、mobage女子はGREE女子と比べて、「熱しやすく冷めやすいタイプ」の人が多いという結果になりました。

 実は好きなファッションブランドなどの差はあまり大きくはありません。若い女性に人気のあるブランドが支持されています。GREE女子は「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」「g.u.(ジーユー)」が女性全体と比較して、1.9倍ほど高くなっています。また、mobage女子にも同様のブランドが人気ですが、さらに「CECIL McBEE(セシルマクビー)」や「INGNI(イング)」が2.5〜3.0倍高いので、ペルソナイラストではそちらを選択して違いを強調してみました。

 GREE女子は「ANNA SUI(アナスイ)」のアクセサリーがお気に入りで、女性全体と比較して1.9倍でした。mobage女子は「ディスカウントストア」をよく利用しています。利用するお店は「ドン・キホーテ」で、女性全体と比較して1.8倍。携帯電話ではGREE女子は「シャープ」が32.7%とトップで、女性全体の1.3倍という人気のブランドになっています。mobage女子も「シャープ」がトップであることに変わりはありませんが、「NEC」が2番目に多く選ばれており、女性全体の1.3倍となっています。調査時(2011年9月)にはスマートフォンへの移行はそれほど進んでいなかったようです。

 ともかく、GREE女子とmobage女子。全体的にはかなりかぶっているという印象を強く持ちました。ペルソナ・イラストはちょっとだけ違いを強調しましたので、そのあたりを勘案してご確認下さい。

GREE女子とmobage女子のペルソナ・イラスト

ちょっとだけ考察

 同じターゲットに同じようなサービスを提供していく。当然同じようなブランドになってくる。多分両者とも若くて伸びている企業だけに、ブランドの差異化にまで行き着いていないのかもしれません。外部から大雑把に見ていると、ますます似てきているような気がします。この2つのブランドは同じターゲットを奪い合っているということから、さらに競合の激化は進んでいくと考えられます。

 しかし、ブランディングには差異化が必要です。競合しているブランドとどのような差異を打ち出していくのかが大きな課題になります。冒頭にも書きましたが、著作権の侵害というあたりで係争しているうちは、差異化する段階になっていないということでしょうね。両者とも今後グローバルな市場へ進出し、活躍して行こうというのであればなおのこと、ブランディングが重要になってくるのではないでしょうか。日本発のグローバルブランドとして、伸びていっていただきたいものです。(コプロシステム 商品計画研究所 大久保惠司

※この記事は、誠ブログ「GREE女子」と「mobage女子」。違いはあるの?-データから見るペルソナ図鑑(4)-」より転載しています。

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