富士経済は3月5日、健康美容食品の国内市場調査結果を発表、2011年の市場規模を前年比0.7%減の1兆7744億円と見込み、2012年は前年比0.3%増の1兆7797億円と予測した。2010年に6年ぶりにプラス成長に転じた同市場だが、翌年の2011年は再びマイナス成長、2012年も微増にとどまる予測だ。
分野別にみると、機能よりも味覚を重視し一般加工食品と競合する「健康志向食品」市場は前年比2.3%減の1兆1117億円と4年連続で減少したのに対して、味覚より機能を重視し一般用医薬品と競合する「機能志向食品」市場は同2.2%増の6628億円と4年連続で増加している。
成長が続く機能志向食品と低迷が続く健康志向食品の背景について、富士経済では「『何となく体に良い』から『何らかの体感が期待できる』といった体感効果を求める傾向が強まっていることがある」とコメントしている。
市場を詳しく見ると、美肌効果を訴求している成分や、副次的に美容効果を訴求している成分の配合商品を対象とした美容訴求市場は、前年比0.2%減の2050億円とやや縮小した。拡大をけん引してきたコラーゲン配合商品の成長が同1.2%増と鈍化したことに加え、東日本大震災による原料不足や物流の混乱、夏季の暑さ対策でドリンク類の需要がほかの飲料へ流れたことが影響した。
一方、ここ数年で急拡大しているのがプラセンタ配合商品で、2011年の市場規模は前年比64.4%増の74億円となった。「動物由来原料であるため、狂牛病問題で一時低迷したが、これが沈静化した2000年代後半以降は参入企業の増加や注力で2ケタ成長が続いている。競争が激化しているコラーゲンとの差別化を図り、プラセンタへ注力をシフトする傾向も見られる」(富士経済)
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