ゆとり教育で育った世代は、本当に仕事ができないのかこれからのことがよく分かるコラム(4/4 ページ)

» 2012年04月11日 08時01分 公開
[桑原正義,Business Media 誠]
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(2)変わるべきは我々。思い込みを捨て、まず新人・若手の話を聞こう

 変わらなければならないのは新人・若手ではなく、受け入れ側である先輩・上司でなければいけません。先輩・上司はパラダイム転換に適応した新たな育成システムに取り組んでいく必要があるでしょう。

 しかしながら、「パラダイム転換」といっても「すぐに考え方は変わらない」という人も多いかもしれません。確かにその通りです。まず大事なことは「最近の新人・若手はこうだから」という思い込みを捨てること。

 例えば、あなたが依頼した仕事に対して新人・若手が何も報告・相談をしてこない場合を考えてみてください。その時に「最近の新人・若手は何も聞いてこない。やる気がないんじゃないのか?」と決め付けるのではなく、「なぜ聞いてこないのか? 何を考えているんだ?」と発想を切り替えて、まずは新人・若手の話を聞いてみてください。そうすると、「聞きたかったけど、忙しそうで質問できなかった」など、何らかの返答があるはず。新人・若手は自ら働きかける力は弱いですが、こちらからの問いかけにはちゃんと答えてくれるでしょう。

 起こりがちな状況としては、新人・若手の話を聞かずに「何で聞いてこないんだ?」といきなり話してしまうこと。新人・若手は知らないことを聞くことに慣れていません。

 そのような状況でいきなり話をされると、怒られたと感じて益々話をしなくなってしまいます。いきなり「話す」のではなく、まずは新人・若手の話を「聞く」ことから始めてみてはどうでしょうか。

 育成の構造変化は、もはや止めることができない不可逆な流れです。ですが、構造変化を嘆いていても何も変わりません。現場の上司や先輩、1人1人の行動の変化が新人・若手の早期戦力化につながり、会社全体の活性化につながるのです。

 4月。自分の部署に新入社員が入ってきた、という人も多いでしょう。その新人たちの働きぶりをみて嘆くのではなく、自分自身に何ができるのかを考えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

桑原正義(くわはら・まさよし)

(株)リクルートマネジメントソリューションズ コンサルタント。1992年4月人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業、商品開発、営業企画を経て2004年4月よりコンサルタント職。

専門テーマは“新人・若手が育つ職場づくり”。 研修に限らず、職場全体を診断して人が育たない原因構造を見える化し、施策の相互作用で全体効果を生み出していくアプローチが得意。理屈や一般論ではなく、コンサルティング現場の中で生み出し実践している"生きた考え方とノウハウ"を提供することをモットーにサービスを提供している。


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