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» 2012年05月17日 08時02分 公開

“LCC攻勢”が強まれば、鉄道会社はどうなるのかどうなる? 鉄道の未来(2)(2/5 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]

300系登場後のシェア

杉山:3月のダイヤ改正で、東海道・山陽新幹線の300系電車が引退しました。300系は「ひかり」よりも速い列車「のぞみ」として誕生しただけでなく、飛行機に対抗する意味でも話題になりました。

 ただ300系が登場してから、新幹線のシェアは下がっているんですよ。当時、東京−大阪間のシェアを見てみると、新幹線が9割ほどを占めていました。しかし300系登場後は、8割ほどに下がってしまった。シェアが低下した理由として、当時は航空規制の緩和があって、航空チケットが安くなったことが挙げられます。ただ、300系が登場したのでシェアは“8割ほどにとどまった”とも言えます。

 もし古い新幹線をそのまま使っていたら、シェアはもっと下がっていたかもしれません。ひょっとしたら7割になっていたかもしれない。でも6割にはならないんですよ。なぜかというと、空港のキャパシティに問題があるから。飛行機に人気が集まっても、東京−大阪間でそんなにたくさん飛ばすことはできません。

 ただ当時のJRは新幹線のシェアが下がったことに対し、危機感をもっていたと思う。でも、その一方で安心している部分もあったのではないでしょうか。それは、さきほど申し上げたキャパシティの問題があるから。「航空会社が安いチケットを販売して、飛行機が満席になってもいい。でも飛行機に乗れなかった人は、新幹線に乗るしかない」といった考え方をしていたはず。

 あとさきほど大塚さんがお話しされたように、JRは料金体系を柔軟に見直すことが苦手。「なぜ新幹線のきっぷを割引にしないのか」と思っている人も多いのではないでしょうか。飛行機に乗るとき、定価で乗る人は少ないはず。ちなみに私は、一度もありません(笑)。早めに予約して1万数千円だせば、国内のほとんどのところへ行くことができる。

 例えば新幹線のきっぷを3カ月前に購入すれば、3割引きにする。旅行であれば、3カ月前に予定を立てている人も多いはずなので。一方のビジネスパーソンは上司から「明日、行ってくれ」と言われ、定価のきっぷを購入する。でもそれでいいんですよ。どうせ会社のお金だし(笑)。JRはこうしたお客のデータを持っているはずなので、そのデータをもとに料金戦略を練り直してもらいたいですね。

晩年は「こだま」で活躍した300系(撮影:杉山淳一)

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