緊縮財政か成長戦略か、欧州が問われる選択藤田正美の時事日想(2/2 ページ)

» 2012年05月21日 07時59分 公開
[藤田正美,Business Media 誠]
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6月17日のギリシャ再総選挙の行方は

 欧州危機で興味深いことがある。先のギリシャ総選挙で、国民は緊縮政策を受け入れた連立与党にノーを突きつけた(もっとも議席数で言うと、過半数に2議席足りなかっただけなので、完全なノーではなかったかもしれない)。しかし、その一方でユーロ圏にとどまりたいとする国民は80%にも達する。つまり緊縮政策は嫌だけど、ユーロから離脱するのはもっと嫌だということだ。そこにポピュリスト(大衆迎合)的な急進左派が急激に議席を増やす隙があった。

 6月17日の再総選挙でどのような結果が出るのか予測するのは難しい。大方の見通しでは急進左派が議席を伸ばすといわれているが、ひょっとすると国民が正気に戻って、支援受け入れを決めた連立政権与党に改めて過半数を与えるかもしれない。

 ただこうした政治の混乱が、銀行の取り付けなどに発展したら、ギリシャにとって、そしてEUやECB、IMF(国際通貨基金)にとってシナリオが狂うということだ。そこにスペインというギリシャよりはるかに重量級の国が沈みはじめたら、その影響がどれほどのものになるか、あまり考えたくない。

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