1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
背泳ぎの入江陵介選手や寺川綾選手がローマで行われたセッテコリ国際で優勝するなど、ロンドンオリンピックを前にして、日本代表のスイマーたちが調子をあげてきた。
そんなアスリートたちの活躍とともに、私が注目しているのは「水着」だ。
いやらしい意味ではない。4年前の「レーザー・レーサーショック」から各水着メーカーがどれだけの進化を遂げたのか非常に興味があるのだ。
「レーザー・レーサー」とは英・スピード社が開発したポリウレタン製のハイテク水着で、北京五輪では世界の一流スイマーたちがこぞって着用。我らが北島康介選手も着ていた。
覚えている方も多いだろうが、全身タイツみたいなビジュルで、とにかく「締め付け」がハンパではなく、着用するだけでも20分ぐらいかかったらしい。
なんでそんなもんが支持されたかというと、この水着をつけて泳ぐと面白いようにタイムが縮んだからだ。ハンパではない「締め付け」が水中での抵抗を極力おさえるというふれこみで事実、北京五輪では、この水着を着た選手が次々と世界新記録を樹立。終わってみたら25のワールドレコードのうち、23がこの「レーザー・レーサー」を着た選手だったのだ。
いくら「ハイテク」だからってこれはちょっと出過ぎじゃないかと疑惑の目がむけられ、いろいろ調べてみると、「レーザー・レーサー」の素材であるポリウレタンは水を通さないという特質があった。つまり水に浮くのだ。
一流スイマーに浮力。これはドーピングみたいなものだろ、というわけで国際水泳連盟(FINA)が次シーズンより使用を制限すると発表したのだ。
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