最近、この種の報道が一般の読者や視聴者から毛嫌いされるきっかけとなったのは、2011年7月に起こったあの騒動がきっかけだ。
当時の松本龍復興担当相が宮城県庁に同県知事を訪ねた際、知事の到着が遅くなったことに腹をたて、一方的に叱責(関連記事)。この一部始終を目撃していたマスコミ各社に対し、「今の言葉はオフレコです。書いたらその社は終わりだから――」と暴言を吐いたこと。
当初、松本元大臣の常軌を逸した行動と言動は定型記事として処理されたが、のちに地元テレビが大臣の言う“オフレコ”を破り、一連の騒動をそのまま放送。結果的に松本元担当相は世論の厳しい批判にさらされ、辞任に追い込まれた経緯があった。
この後、後任の平野達男担当相の発言も槍玉にあがった。岩手県出身の平野大臣は、2011年10月の民主党研修会の席上、東日本大震災の津波被害に触れた。この中では、「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカなやつがいる」と発言。
野党の自民党からの追及やマスコミの言葉尻を捉えた報道に、同相はのちに発言の真意を再度説明していた。
この発言にしても、動画ニュースなどをチェックすれば、東北人特有のはにかみを含みつつ、亡くなった友人の死を悼み、愛情を持って発言したことがみてとれる。もちろん、大臣発言として誤解を招く部分があったのは確かだが、平野大臣を鋭く批判する一連の報道については、ニュースの核心、本筋から外れた“言葉狩り”と読者や視聴者の目には映ったはずだ。
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