ですから、感情レベルで「とても欲しい!」と思っている消費者は、「購入すべき理由」を無理やり見つけ出そうとします(笑)。あるいは、ともかく購入してしまった後で、「後付けの理由」をもっともらしく語ることもあります。
アンケート調査のような、従来の消費者調査の有効性が疑われてきた理由の1つがここにあります。アンケート調査では、回答者の「言語」によって、購買理由などを聞きますが、言語化された時点で、理性のフィルターを通ってくるため、回答者の本当の感情(=本音)を知ることが難しいからです。
そこで、「直接脳に聴こう」「感情を測定しよう」とする試みが、脳科学の技術を利用した、近年注目を集めている「ニューロマーケティング」です。ニューロマーケティングについては、今後、さまざまな切り口でご紹介していきたいと思っていますが今回、記憶にとどめて欲しいのは以下の点です。(松尾順)
- 私たちは、自分の商品・ブランド選択において、多くの場合、「感情」で決めて「理性」で言いわけしている
- 従って、マーケターは、まず感情レベルで消費者の心をつかまなければならない
- 同時に、理性(思考)を納得させられる「購入すべき理由」を提示しなければならない
※この記事は「ニューロマーケティング 〜消費者は買わされている?〜 」(NHK BS世界のドキュメンタリー)を参考にしました。
→松尾順氏のバックナンバー
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