ニコニコ動画などを運営するドワンゴは8月21日、新サービス「ブロマガ」を開始した。これは政治家やジャーナリスト、企業などのテキストコンテンツを、ニコニコチャンネル(参照リンク)内のブログやメールマガジン、ePub形式の電子書籍で読者に届けるというもの。記事コンテンツごとに無料、もしくは有料課金(月額課金/都度課金)で配信できる。
ドワンゴの川上量生会長はブロマガの狙いについて、「インターネットの中で、ゲーム以外のコンテンツで有料課金に成功している数少ない例の1つがメルマガ。サイズは小さいが、ここを起点に新しいサービスが作れるのではないか」と話した。
ニコニコチャンネルはもともと、個人や団体が動画や生放送を配信できるプラットフォーム。ここに、ブログやメールマガジン、電子書籍といったテキストコンテンツを配信できる仕組みを追加した。8月21日現在で2073のチャンネルが開設されている。
2073のチャンネルのうち、政治家の小沢一郎氏、ジャーナリストの津田大介氏、映画監督の押井守氏など76チャンネルがブロマガで記事コンテンツを配信する。話題性のあるニュースは、同社が運営するニュースサイト「ニコニコニュース」にも掲載されるという。
ドワンゴの夏野剛取締役は「Twitterや無料ブログだと敵意を持っている人も読んでいる。(有料の)ブロマガだと前向きに意見を聞きたい人が購読してくれるので、テレビでは言いにくいような少し過激なことも言える。ある人が先鋭的に考えていることを、まず議論できるプラットフォームだ」とコメントした。
課金収入のうち、システム手数料は14%。これを除いた中からドワンゴの取り分30%を引いた残りがコンテンツ提供者の収入になる。ブロマガ機能の利用者の拡充については「将来的には、ある世界の人はみんな知っているけど、その世界以外の人は誰も知らないような人がブロマガの機能を使っていくところまでいくといいのかなと思っている」(夏野氏)。
Business Media 誠でも、ブロマガ「『Business Media 誠』のココだけの話」の配信を開始した。ブロマガだけに掲載される記事(初回はmixiについての座談会を書き起こし収録)や、編集部が読者に代わって気になるテーマを取材するコーナー(初回は韓国大使館に竹島問題について質問)など、Business Media 誠のWebサイト本体には載せないコンテンツを配信していく。
ブログとメールマガジンという、10年以上前からネットの世界にある、ある意味「枯れた」システムを、ドワンゴの強みである動画配信プラットフォームと組み合わせたこの仕組みがどれくらい受け入れられるのか。誠編集部では身をもってその実験に参加するつもりだ。
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