松井:いろいろな国から人がやって来て、どの国の人でも使えるモノを作ってしまう。そうなれば当然のことなのですが、はなっからどの国の誰にでも使いやすいモノが米国の会社から出てきてしまう。変な話、太刀打ちできないんですよ。だからローカル独自のモノが売れなくなってきていますね。そんな中で、日本はまだ頑張っているほうなのですが……。
佐々木:ガラパゴス化されたがゆえの、元気さなのかもしれません。日本の市場の特殊性というのは、別にローカル言語があるということじゃないんですよね。ローカル言語はどこの国だってあるわけですから。ただローカル言語の市場規模が大きいということ。1億人のローカル言語というのは少なく、欧州ではせいぜい3000万人なので。
松井:ですよね。それでいて、多くの人は英語が話せます。
佐々木:1億人もいれば、それだけである程度成り立ってしまうので、別に英語を使わなくてもビジネスができるし、国内消費市場でメシも食える。それで何とかやってきていたというのがありますが、じゃあ今後もそれでうまくいくのかどうか。それはユニコードの普及とかグローバルプラットフォームが使いやすいというのでどんどん国内にそれが流れ込んでくると、誰も押しとどめられない状況が起きてきているわけです。アップルのiTunesなどは、その典型ですよね。
iTunesのサービスがスタートしたときには、こんな声がありました。「我々の国にはフィーチャーフォンっていう素晴らしい市場があって、そこはもう着うたフルのレコ直というレコード業界がやっているのがある。iTunesなんか来ないよ」と。しかしスマートフォンが普及して、着うたフルは完全に消滅してしまった。そしてiTunesが着々と進出してきているというのが、いまの状況ですよね。
松井:ですね。
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