佐々木:少し話がそれますが、最終的には日本も移民を受け入れざるを得ないと思うんですよ。
松井:ですね。
佐々木:そうなると英語を使わざるを得ない状況になるのではないでしょうか。
松井:私の弟は栃木県と群馬県の県境に住んでいるのですが、すぐ近くにある富士重工の工場で、夜勤で働いているのはほとんど外国人だそうです。なぜ日本人は夜勤をしないかというと、夜働くのはつらいから、らしい(笑)。でも外国人は働くんですよね。昼に働くより、夜のほうが給与がいいから。
肉体労働者だけを受け入れるのであれば日本人があえて英語を憶える必要はないのかもしれません。ですが会社の製品を「世界に通用する製品(グローバル・レディ)」にしたいのであれば、やはり日本人が英語を憶え、経営陣や開発チームで活躍できるような幅広い優秀な人材を雇い入れていくことが必要になるでしょうね。
(つづく)
佐々木俊尚(ささき・としなお)
作家・ジャーナリスト。
1961年兵庫県生まれ。愛知県立岡崎高校卒、早稲田大政経学部政治学科中退。毎日新聞社、月刊アスキー編集部を経て2003年に独立し、IT・メディア分野を中心に取材・執筆している。『「当事者」の時代』(光文社新書)『キュレーションの時代』(ちくま新書)『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー21)など著書多数。総務省情報通信審議会新事業創出戦略委員会委員、情報通信白書編集委員。
松井博(まつい・ひろし)
神奈川県出身。沖電気工業株式会社、アップルジャパン株式会社を経て、2002年に米国アップル本社の開発本部に移籍。iPodやマッキントッシュなどのハードウエア製品の品質保証部のシニアマネージャーとして勤務。2009年に同社退職。ブログ「まつひろのガレージライフ」が好評を博し、著書『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)を出版。現在は2冊目の『私設帝国の時代』(仮題)を執筆中。twitterアカウントは「@Matsuhiro」
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