インタビュー
» 2012年09月12日 08時05分 公開

仕事をしたら“若者”が見えてきた(前編):「近ごろの若いヤツは……」というが、本当にダメなのか (3/6)

[土肥義則,Business Media 誠]

若者のクルマ離れ

土肥:「今の若者はクルマに興味をもっていない」といった指摘があります。確かに若い人たちと話をしていてクルマの話になる機会は少ないですし、そもそも免許を持っていない人が増えてきているような気がします。

 私はバブル経済のときに大学生だったのですが、当時の男子学生の多くはクルマを持っていました。さすがに1人暮らしの学生でクルマを持っている人は少なかったですが、親と同居している学生は所有率が高かった。親がクルマを持っていればそれを使えばいいのに、なぜか自分のクルマを買っていた。私もそのひとりなのですが、クルマを持つことで“大人の証”のようなものを感じていたのでしょう。

原田:多くのメディアで指摘されていますが、「若者のクルマ離れ」は事実だと思います。警察庁のデータによると、免許取得率も減少していますので。

 ただ、そうは言っても、日本は「クルマ大国」。人口は世界で10位なのに、クルマの販売台数は3位。もちろん人口が減少していけば、順位は下がるかもしれませんが、一部の都市を除けばクルマのない生活は不便なんですよね。メディアは「若者のクルマ離れ」を報じていますが、少し過剰に反応しているのではないでしょうか。

 考えてみれば、これまでが売れ過ぎていたのかもしれません。大都市に住んでいて、しかもお金持ちでもないのに、高級なクルマを所有している人もいました。アジアに行けば分かるのですが、高級なクルマを所有しているのはお金持ちだけ。日本の場合は、お金持ちでなくても、クルマを所有しています。そういう人が昔は多かっただけ……特にバブル経済のときには。

 世界的にみれば、日本のこうした状況は“異常”だったのではないでしょうか。バブル経済のときには「日本は経済的に豊かである」という幻想を抱いてきたために、クルマが必要でない人までクルマを所有してきました。

土肥:確かに“異常”だったのかも。

原田:今の若者はなぜクルマを買わないかというと、「必要がない」と思っているから。ただそれだけ。「まっとうになってきた」と言ってもいいのでしょう。お金持ちの人がポルシェに乗っているのは普通かもしれませんが、そうでない人がポルシェを買うのは身分不相応な行為ではないでしょうか。

土肥:バブル経済のときには、私の周りにも背伸びをして高級車を買う人がいました。大学生でマイカーローンを組んで、バイトをして毎月返済していく。で、完済する前に事故をして、クルマはスクラップ。クルマはなくなるけど、借金だけは残る……という人もいました。

 いまはそうした若者が減ってきて、身の丈志向の人が増えてきているのでしょうね。

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