土肥:大人からはこんな声もありますよね。「今の若者はクルマは買わない。しかし携帯電話代はたくさん払っている」と。
原田:その指摘は間違いですね。多くの若者は携帯電話の料金を定額制にしています。携帯の電話代に月数万円も支払っている人なんてほとんどいません。アプリも基本的には無料のモノをうまく使っていて、必要だと思うモノにしか購入していません。
では何に使っているかといえば、先ほども申し上げたとおり、友だちとのコミュニケーションに使っているんですよ。
土肥:でも大人から「今の若者はお酒を飲まないじゃないか!」と指摘されそうですが。
原田:昔の若者に比べると、今の若者はあまりお酒を飲まないかもしれません。もちろん男同士で居酒屋でビールを飲んで語り合うこともしますが、カフェにもよく行くし、居酒屋に行ってもお酒を飲みたくないときは飲まない。先輩からお酒を強要されるなど、昔の日本的なしがらみから脱しているだけです。なので「若者はモノを買わない」「若者の消費量が減っている」といった感じはないですね。
ポルシェを買うために、四畳半の部屋で我慢する――。フェラーリに乗るために、コツコツとお金を貯める――。こういった若者は少なくなっているのではないでしょうか。お金を貯めて高いモノを買うのではなく、小出しにお金を使う傾向がうかがえます。
例えば、高級フランス料理店に1回行くよりかは、安いファミリーレストランに10回行くといった感じ。また服も同じで、高級ブランドを1着買うのではなく、ファストファッションを何着も買うといった人が多いですね。
土肥:お金を貯めて高いモノを買うのではなく、給与が入れば安いモノを買う――こうした消費行動がうかがえると?
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