――イベントを実現にこぎつけるまでなにが大変でしたか?
尾崎:最初この話をしたら配給会社さんには結構驚かれましたね。劇場側からすると、越えなければならないハードルが多い割にその恩恵が見えづらいということなんでしょう。ただ、この企画(イベント同時開催)ありきで今回の映画はすすめていたので、最終的にはご理解いただきました。共同配給の松竹さんとT・ジョイさんにはかなりがんばってもらいました。
――映画業界的には、「松竹」と東映の子会社である「T・ジョイ」が手を組んだというのは大きなニュースです。この2社を結びつけるという発想はどこから?
尾崎:ご存じのように、松竹さんは伝統のある配給会社で、首都圏や都市部に良い劇場をたくさんお持ちで国内配給網には素晴らしいものがあります。さらに近年は『けいおん!』などアニメのヒットも多く、宣伝力もあります。
一方、T・ジョイさんはライブビューイングなど新しい試みに早くから積極的に取り組まれているうえ、アジア全域に配給網のある「ゴールデンハーベスト社」と提携しておられます。アジア進出の有力なエンジンになってくれるはずです。
『TIGER & BUNNY』という作品を介して、2社がいい意味で補完し合えるのではないかと考えました。ですから、この2社に組んでいただくまでにはかなり力を注ぎましたね。両者の橋渡し役として間に入って交渉しつつ会談の場をセッティングするなど、いわば“薩長連合”における坂本龍馬的な動きをさせていただきました(笑)。
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